鑁阿寺(足利氏館跡)

大日如来を本尊とする真言宗の古刹で正式名は金剛山仁王院法華坊鑁阿寺(こんごうさん におういん ほっけぼうばんなじ)。室町幕府を開いた足利尊氏で一躍有名になった足利一族の発祥の地で「足利氏館」として「日本100名城」にも選定されています。源姓足利氏2代目の足利義兼が1196(建久7)年に館に持仏堂を造ったのが始まり。

「足利氏宅跡(鑁阿寺)」として国の史跡に

中世の館の雰囲気を伝える北門
足利尊氏の父・足利貞氏が建立した本堂
広い境内には国の重要文化財の鐘楼や本堂の大御堂などがあり、市民には「大日様」と呼ばれ親しまれています。

またここは寺というよりも鎌倉時代の館跡としての面影を強く留めていて「足利氏宅跡(鑁阿寺)」として国の史跡にもなっています。
防御のために築かれた水堀や土塁がそれで、もともとは足利氏の居館(やかた)だった場所。
12世紀の半ばに父から下野国足利荘を相続し、足利を名字として足利氏の祖となった源義康(みなもとのよしやす=足利義康)が居館(足利氏館)を構えた地。

1196(建久7)年、鎌倉幕府の御家人・足利義兼(あしかがよしかね=戒名:鑁阿)が居館に大日如来を奉納した持仏堂、堀内御堂を建立。
1234(文暦元)年、やはり鎌倉幕府の御家人だった足利義氏(あしかがよしうじ)が伽藍を整備、足利氏の氏寺としました。

本堂は平成25年に国宝に指定!

足利幕府13代将軍・足利義輝の再建の楼門(山門)
徳川幕府5代将軍・綱吉の生母、桂昌院再建の多宝塔
本堂と同じ創建で再建年代不明の鐘楼
関東管領・足利満兼再建の一切経堂

中世の武将の居館らしく、四方に門を設け、鑁阿寺の境内の周囲には今も土塁と水濠が現存しています。

現存する入母屋造、本瓦葺きの本堂は平成25年に国宝に指定。
1299(正安元)年、足利貞氏(室町幕府の初代将軍・足利尊氏の父)が禅宗様式を取り入れて建立したもので、1407(応永14)年〜1432(永享4)年に正面に向拝を付すなどの大規模な修築が行なわれています。

さらに、鐘楼、一切経堂は国の重要文化財。
多宝塔、御霊屋、太鼓橋、東門・西門、山門(仁王門)、木造大日如来像、木造足利歴代将軍坐像、木造不動明王坐像は栃木県の有形文化財。

関東八十八ヶ所第16番霊場。
毎月23日は、午(うま)年の守り本尊二十三夜尊(勢至菩薩)縁日で多宝塔が御開帳されます。
毎月28日(月参講)は、不動尊縁日。

不動明王像(平安時代作)が本尊の鑁阿寺不動堂
足利尊氏と鑁阿寺の関係は!?
室町幕府を開いた足利尊氏の出生地は丹波国何鹿郡八田郷上杉荘(現・京都府綾部市)という説が有力。
しかしながら、足利氏の根拠地は下野国足利荘(現・栃木県足利市)であることは変わりなく、栃木県教育委員会も「足利尊氏は、下野国足利荘を根拠地にしていた」としています。
足利市にある征夷大将軍足利尊氏公像

鑁阿寺のおもな年中行事

1月1日~1月5日/初詣=厄除・開運大護摩
2月3日/節分=大護摩供、武者追儺式
4月第1日曜/出世稲荷大祭=出世稲荷尊の例大祭
5月3日〜5月5日/春の大祭
5月18日/観音経一千巻読誦会
11月3日〜11月4日/秋の大祭
12月31日/除夜の鐘=初護摩

出世稲荷尊
鑁阿寺(足利氏館跡)
名称 鑁阿寺(足利氏館跡)/ばんなじ(あしかがしやかたあと)
所在地 栃木県足利市家富町2220
関連HP 鑁阿寺公式ホームページ
電車・バスで JR足利駅から徒歩10分。または、東武伊勢崎線足利市駅から徒歩15分
ドライブで 東北自動車道佐野藤岡ICから約20km
駐車場 太平記館観光駐車場(85台/無料)
問い合わせ 鑁阿寺 TEL:0284-41-2627/FAX:0284-41-1136
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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