栃木県那須郡那珂川町にある横穴墓が、唐御所横穴(からのごしょよこあな)。那珂川の左岸、和見・北向田地区から小口地区に至る丘陵の斜面に開口する「北向田・和見横穴墓群」のうち、和見群北支群に所属する規模の大きな横穴が唐御所横穴で、国の史跡に指定されています。
和見横穴群の主墓と目される横穴
八溝山地の西縁に位置する凝灰岩丘陵を利用して築かれた横穴墓群。
尾根の西側に20数基からなる北向田横穴群、東側に同じく20数基からなる和見横穴群があり、和見横穴群に属する1基が唐御所横穴。
唐御所横穴は、最高所の丘陵鞍部近くに南向きに開口し、最も精緻であることから横穴墓群の主墓と推測できます。
玄室や玄門、羨道で構成され、玄室は全長2.75m、中央での幅が2.34m、高さは奥壁前縁で1.9mという大きなもので、天井は中央に棟木をつくり出し、左右に切妻屋根に似せた勾配をもたせています。
平将門(たいらのまかさど)の娘がこの地に逃れ、この横穴で娘を生んだという伝説があり、将門の娘であることが世間に知られるのを恐れ、唐土帝王(中国の皇帝)の后と身分を偽ったことで、「唐御所」と呼ばれるようになったと伝えられています。
江戸時代初期の延宝年間(1673年〜1680年)、下野国武茂(現・栃木県那珂川町)の庄屋・大金重貞が編纂した地誌『那須記』にも「唐御所」と記されていますが、貴人の墓という認識からその名が生まれたのだと推測できます。
唐御所横穴には駐車場や休憩所、遊歩道が整備されているほか、周辺の姫穴、厩穴、遠見穴などの横穴墓も見学が可能。
唐御所横穴 | |
名称 | 唐御所横穴/からのごしょよこあな |
所在地 | 栃木県那須郡那珂川町和見 |
関連HP | 那珂川町公式ホームページ |
電車・バスで | JR氏家駅から関東自動車バスで41分、都橋下車、徒歩4分 |
ドライブで | 東北自動車道矢板ICから約27km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 那珂川町観光協会 TEL:0287-92-5757/FAX:0287-92-1184 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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