東京都江東区、岩崎弥太郎庭園跡という清澄庭園の東に建つ、江戸時代末期の深川、佐賀町の裏長屋に暮らす、庶民の生活を忠実に再現したミュージアムが深川江戸資料館。外観は近代的ですが、内部には江戸時代の深川にタイムスリップするような深川佐賀町の町並みの再現もあり、展示内容も充実。
深川佐賀町の町並みと生活を忠実に再現
「情景再現、生活再現展示」という展示技術を活用、宝暦10年(1760年)の沽券図(こけんず=町の屋敷ごとに間口・奥行・坪数・家屋敷の金額=沽券金・地主名・家守名を記載した絵図)とそれをベースに造られた『深川佐賀町惣絵図』を参考に、船宿や土蔵、長屋や茶店、堀割や路地、火の見櫓など、江戸時代末、天保年間(1830年〜1844年)の深川佐賀町の町並みを原寸で再現。
画期的なのは、そこに暮らす家族構成や職業、年齢までもが細かく規定され、職人なら仕事関連の道具、その女房の使ったであろう生活道具までが配されている点。
正確な考証とともに、1日の移り変わりが音響、照明などで情景演出され、江戸時代の深川にタイムスリップしたかのような雰囲気になれるのです。
深川佐賀町は、隅田川河口に位置して隅田川沿いには舟蔵も並び、大船の出入りに便が良いため、木場材木問屋、米問屋、そして干鰯・魚〆粕・魚油を扱う問屋など大店(おおだな)が並んでいました。
再現した家並みでは、大店肥料問屋「多田屋」(多田屋又兵衛=唯一実在した店です)を忠実に再現しています。
さらに、長屋の雰囲気、木場の木挽職人の家、堅実な「升田屋」と派手な「相模屋」という設定で船宿も再現され、ここから成田詣へと旅立つ人も多かったことでしょう。
火の見櫓のある広場には、よしず張りの「水茶屋」がありますが、これが現在の喫茶店です。
天ぷら、そばという屋台、つまりは江戸時代のファストフード店もあり、当時の食文化も理解できます。
建物のなかに入って記念写真を撮ることも可能で、展示されている生活用具に触れることもできるので、ファミリーで社会科見学的に訪れるのもおすすめですし、時代劇ファンなら、「正しい時代考証」のためにも必見の施設です。
深川江戸資料館 | |
名称 | 深川江戸資料館/ふかがわえどしりょうかん |
所在地 | 東京都江東区白河1-3-28 |
関連HP | 深川江戸資料館公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線清澄白河駅から徒歩3分 |
ドライブで | 首都高速福住ランプから約1.2km |
駐車場 | 6台/無料 |
問い合わせ | 深川江戸資料館 TEL:03-3630-8625/FAX:03-3820-4379 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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