コーガ石採掘場

コーガ石採掘場

東京都新島村、新島南部の向山の溶岩ドーム群のひとつ、石山にある新島特産のコーガ石(抗火石)の採石場が、コーガ石採掘場。新島とシチリアのリパリ島でのみ産するという、コーガ石(抗火石)。島の南部、向山は、山全体が火山活動によって誕生した流紋岩のコーガ石(抗火石)でできています。

式根島を眼下にする石山山上の採掘場

コーガ石採掘場

コーガ石(抗火石)は軽石の一種の黒雲母流紋岩(くろうんもりゅうもんがん=多孔質の軽石)で、水に浮き、のこぎりで切れるほど軟らかく、しかも耐熱性、耐水性、断熱性、耐酸性に優れている石ということから多くの用途に使用されてきました。

江戸時代、島人から軽石、浮石(かぶいし)と呼ばれたのは、水に浮く特性から。
江戸時代末期に剛化石(こうがせき)と呼ばれ始め、大正元年に源商店が島外に販売する際に、耐火性をPRするために抗火石(こうかせき)という名前が付けられたのです(抗火石=大正元年、東京帝国大学工科学長の渡辺渡(わたなべわたる)博士が定義した名称)。
島人は、夏は漁に出て、漁に出られない冬場に石を切り出すなどして生計を立てたのです。

昭和30年に採掘が村営事業化され、石材採掘条例の改正によりコーガ石と通称されるようになったのは戦後のこと。

その後、コーガ石(抗火石)の需要は減少し、平成19年に新島村も採掘から撤退し、現在では伊豆諸島へ貨物船2隻を運航し、生活物資を運ぶ新島物産の抗火石事業のみとなっています(新島物産では、抗火石と書いてコウカセキと読ませています)。

コーガ石(抗火石)を原料としたガラスは、独特のオリーブ色を帯びるのが特徴でも、新島ガラスアートセンターで、新島ガラスの製品、作品が生まれています。

島の各地に置かれたモヤイ像もコーガ石製で、東京・渋谷駅前、竹芝客船ターミナルにある「モヤイ像」も、新島産のコーガ石でできています。
コーガ石採掘場の脇にある石山展望台(向山展望台)は、採石場はもちろん、式根島、神津島を眺望する石山の絶景スポットです。

コーガ石
新島産のコーガ石で造った倉(新島村博物館)
コーガ石採掘場
名称 コーガ石採掘場/こーがせきさいくつじょう
所在地 東京都新島村向山
電車・バスで 新島港から徒歩1時間
ドライブで 新島港から約4km
問い合わせ 新島観光協会 TEL:04992-5-0001/FAX:04992-5-0946
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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