江戸城 桜田巽櫓

皇居参観へは桔梗門(内桜田門)の前にある広場に集合しますが、目の前の桔梗濠(ききょうぼり)の向かいにそびえる二重櫓(にじゅうやぐら)が桜田巽櫓(さうらだたつみやぐら)。江戸城本丸の東南(辰巳=巽)の方向にあることが名の由来です。富士見櫓、伏見櫓と並んで江戸城に残る江戸時代の櫓のひとつで、三の丸に位置しています。

三の丸を守る鉄砲狭間や石落しを配備した実戦的な構造の櫓

桔梗門前広場側からの巽櫓
内堀通り側からの桜田巽櫓
現在の江戸城三の丸・二の丸・本丸

城の隅角に造られた監視と防御を目的とする櫓が「隅櫓」(すみやぐら)ですが、江戸城で現存する唯一の隅櫓になっています。
桜田巽二重櫓とも、単に巽櫓とも呼ばれています。

関東大震災で損壊したのちに解体して復元し、往時の姿をとどめています。

鉄砲や矢を射る狭間(さま)や、濠から上ってくる敵の頭上に石などを落とす石落しが備えられ、隅櫓という性質上、三の丸の東南角を守る実戦的な櫓であることがよくわかります。

近くにある桔梗門の正式名は、外桜田門と対をなして内桜田門ですが、太田道灌の築城時代、大手正門であったことから、瓦に施された家紋である「桔梗」にちなんで桔梗門と呼ばれています。
ちなみに太田道灌の家紋は、丸に細桔梗(まるにほそききょう)で、桜田巽櫓が面する桔梗濠も、もちろんこの太田道灌の家紋に由来。

家康入城前の江戸城はこのあたりが大手(正面玄関)で、現在の西の丸、富士見櫓のあたりに道灌の屋敷があったと推定(富士山がよく見えたという話から)されています。

内堀通り沿い、桔梗濠のコーナーからは江戸城に現存する桜田巽櫓と富士見櫓のツーショットを眺めることができます。

内堀通り側から眺めた桜田巽櫓(三の丸)と富士見櫓(本丸)

古地図&絵図に見る桜田巽櫓


江戸城 桜田巽櫓
名称 江戸城 桜田巽櫓/えどじょう さくらだたつみやぐら
所在地 東京都千代田区千代田1-1
関連HP 宮内庁公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ東西線・都営三田線大手町駅から徒歩6分。東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩10分、JR東京駅丸の内北口から徒歩11分
駐車場 なし/大手センターパーキング(185台・有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 宮内庁 TEL:03-3213-1111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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