東京都港区元麻布1丁目にある浄土真宗本願寺派の寺、麻布山善福寺。背後は高台となった元麻布の高級住宅街、大使館街。寺伝によれば天長元年(824年)に空海(弘法大師)創建といい、都内では、浅草寺、深大寺に次ぐ古刹。越後国国府(現、新潟県上越市)に配流になっていた親鸞が、鎌倉時代に浄土真宗に改宗したと伝えられています。
明治初期には境内にアメリカ合衆国公使館があった!
文永3年(1266年)8月10日、亀山天皇の勅願寺となり、以降、関東を治めた北条氏、足利幕府、豊臣秀吉、徳川幕府から朱印をもらって寺領を安堵されています。
境内には、幕末の安政6年6月8日(1859年7月7日)、日米修好通商条約に基づいて、初代のアメリカ合衆国公使館が設けられ(下田領事館閉鎖)、初代駐日公使のタウンゼント・ハリス(Townsend Harris)が駐在。
文久3年4月(1863年5月)、善福寺の庫裏から出火し、公使館の建物は焼失。
アメリカ合衆国公使館は、横浜関内の外国人居留地に移転し、本覺寺にあった領事館も、同年横浜居留地に移っています。
境内にはハリス顕彰碑、慶應義塾大学の創設者である福澤諭吉の墓、「愛の讃歌」の歌詞が刻まれた「越路吹雪の碑」、親鸞手植えと伝わる「善福寺の逆さ銀杏」(国の天然記念物「善福寺のイチョウ」)があります。
また、総門を入った右手には空海(弘法大師)が錫丈(しゃくじょう)を突き立て清水が湧き出させたという「柳の井戸」(「楊柳水」)もあります。
善福寺の逆さ銀杏、柳の井戸は、「麻布七不思議」のひとつ(他の5つは、狸穴の古洞、広尾の送り囃子、蟇池=がまいけ、長坂の脚気石、一本松)。
江戸切絵図と『江戸名所図会』に描かれた善福寺
江戸切絵図、『江戸名所図会』に描かれる善福寺を見ると、周囲に多くの塔頭(たっちゅう=子院)があったことがわかります。
善福寺 | |
名称 | 善福寺/ぜんぷくじ Zenpukuji Temple |
所在地 | 東京都港区元麻布1-6-21 |
関連HP | 麻布山 善福寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線麻布十番駅から徒歩10分 |
ドライブで | 首都高速芝公園IC、飯倉IC、天現寺ICから約1.5km〜2km |
駐車場 | あり/有料 |
問い合わせ | 善福寺 TEL:03-3451-7402 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/大分県東京事務所、善福寺
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