東京都国分寺市にある武蔵野台地の縁(へり)、国分寺崖線(こくぶんじがいせん)沿い湧くのが真姿の池湧水群(ますがたのいけゆうすいぐん)。徳川御三家筆頭・尾張藩の鷹狩場になっていたことから、湧水から流れ出る用水沿いにお鷹の道が整備され、お鷹の道・真姿の池湧水群として環境省の名水百選に選定されています。
お鷹の道を散策
国分寺崖線は、古代の多摩川が南へと流れを変えていく過程で、武蔵野台地を削り取ってできた、河岸段丘の連なり。
立川市砂川9番に始まり、田園調布(大田区)まで、総延長は30kmにも及ぶ崖の連なり。
東京都府中市武蔵台(東京都立多摩総合医療センター・武蔵国分尼寺跡)北側では15mほどの崖を形成しています。
崖線には湧水が多く、都市部に残された貴重な自然環境。
調布市、三鷹市、小金井市、国分寺市にまたがる国分寺崖線上の区域3万7195平方メートルが、東京都の国分寺崖線緑地保全地域として、環境が保全されているほか、東京都立武蔵国分寺公園が真姿の池湧水群の水源林となっています。
国分寺崖線下の湧水が集まり野川に注ぐまでの350mに遊歩道「お鷹の道」が整備され、国分寺市を代表する名所となっています。
真姿の池には、嘉祥元年(848年)、病気に悩む玉造小町が武蔵国分寺(真姿の池の南西に武蔵国分寺跡があります)に願掛けした際、「真姿の池で身を清めよ」との霊示を受け、見事に快癒したという伝承があります。
池近くには真姿の池弁財天が祀られていますが、この弁財天辺りまでが武蔵国分寺の境内地でした。
明治時代には弁財天の御開帳に合わせて芝居小屋が立ち、賑わいました。
環境省「名水百選」は、東京都内ではお鷹の道・真姿の池湧水群のほかに御岳渓谷が選定されています。
武蔵野にあった広大な尾張藩の鷹場
江戸城を中心に五里(20km) 以内のエリアは幕府の「御拳場」(おこぶしば=鷹場)、寛永10年(1633年)にその外側を尾張藩・紀州藩・水戸藩の徳川御三家などの鷹場としています。
御三家筆頭の尾張藩は武蔵野に広大な鷹場を有し(境界を示す83本の石杭を建立)、東は朝霞市、西東京市(保谷に5本の境界を示す石杭が現存)、練馬区大泉、南は三鷹市、小平市、立川市、国分寺市、西は青梅市、埼玉県入間市、狭山市、坂戸市、北は志木市、富士見市までに及んでします。
その際の御殿は、当初は前沢村(現在の東久留米市八幡町2-11)の前沢御殿(楊柳沢御殿)でしたが、中清戸村(現・清瀬市中清戸)の清戸御殿に移されています。
この尾張藩の鷹場は、幕末の慶応3年(1867年)8月に廃止されています。
お鷹の道・真姿の池湧水群 | |
名称 | お鷹の道・真姿の池湧水群/おたかのみち・ますがたのいけゆうすいぐん |
所在地 | 東京都国分寺市東元町1丁目・3丁目 |
関連HP | 国分寺市公式ホームページ |
電車・バスで | JR国分寺駅・JR西国分寺駅から徒歩15分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 国分寺市観光協会 TEL:042-325-0111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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