三原山・表砂漠

三原山・表砂漠

東京都大島町、伊豆大島・三原山(758m)の内輪山(三原山火口)と外輪山の間、火口の西側のスコリア(黒色の火山砕屑物)に覆われた火口原が表砂漠。北東山腹の裏砂漠と違って地形図などにも掲載されていないため、あくまでも通称ですが、散策にも絶好です(火山活動、天候に留意の上、行動を)。

戦後の爆発による溶岩流で、減少した砂漠地帯

裏砂漠
三原山・表砂漠
火口内輪山から外輪山、表砂漠を眺望。右側の緑の部分が戦後の溶岩流

表砂漠という言葉が使われなくなったのは、昭和25年~昭和26年の三原山のマグマ噴火(山頂火口から流出)で、火口原の北西側(御神火茶屋側)の砂漠が、溶岩流で埋め尽くされてから。
かろうじて残された表砂漠が溶岩流の南側、火口・三原新山の西側部分です。
山頂の南側(外輪山・白石山の北側)、表砂漠から繫がる火口原の砂漠地帯は、奥山砂漠です。

戦前には外輪山側に、砂漠を滑り降りる遊具(スライダー)も設置され、地形図にも滑台(かっそうだい)という地名が残されています。
現在、三原山滑走台遺構と呼ばれるもので、スコリアに覆われた外輪山の斜面に全長600mほどのレールを2本、スライダー引き上げ用のレール1本を敷設し、昭和10年〜昭和17年まで営業していました。
アンコ姿の女性が、笑顔で海めがけて滑走する姿の写真が「伊豆大島郷土資料館」に残されています。

滑台(三原山滑走台遺構)は、現在では野増側からの登山道で、外輪山に到達する直下に、コンクリートの基部だけが遺構として残されています。
さらに東側には「三原キャニオン」と呼ばれる赤ダレ(外輪山が浸食により崩壊した峡谷)がありますが、ガイド同伴でないと、わかりづらく、危険な場所です。

なお、表砂漠を歩く場合は、ヘルメット携行がおすすめ(三原山山頂口で無料レンタル可能)。
また霧が出た際などは迷いやすいので、晴れた日の行動が鉄則です。
野増への下山ルートも、一般向けではありません。

三原山・表砂漠
昭和25年〜昭和26年の溶岩流地帯。植物の進出が始まっています
三原山・表砂漠
名称 三原山・表砂漠/みはらやま・おもてさばく
所在地 東京都大島町野増
問い合わせ 大島町観光課 TEL:04992-2-1446
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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