東京都港区北青山、明治神宮外苑のシンボル、聖徳記念絵画館に向かって伸びる道に植栽された見事なイチョウの並木道が明治神宮外苑・イチョウ並木。東京の紅葉スポットの代表格ですが、大正15年の明治神宮外苑完成に先立って、大正12年に植栽された歴史あるイチョウ並木です。
明治神宮外苑のシンボルロードは、「ヴィスタ景観」に注目!
大正元年9月13日、明治天皇の大喪の礼が行なわれた青山練兵場の跡地を、大喪の礼の会場だった葬場殿跡に建てた聖徳記念絵画館を中心に、明治神宮の外苑として設計。
そのシンボル聖徳記念絵画館への道として、「幅員18間車道歩道を区別し歩車道の境界に並木を植栽す。此延長約二百間にして中央周回道路に交叉し中央広芝地を通過する歩道を以って絵画館前に達す」という明治神宮外苑のシンボルロードとして築かれたのがこの並木道です。
全長300m、幅9間(16m)の車道、その両側に植樹帯(3.6m)と歩道(4.5m)があり、9m間隔で4列、146本のイチョウが植栽されています。
道路には、当初、アメリカの会社が特許を有していたアスファルトコンクリート舗装のワービット舗装を日本で初めて本格的に採用。
パリの凱旋門に象徴されるような、見通しのいい眺めを「ヴィスタ景観」と呼びますが、王朝時代の権力者が直線道路をつくったバロック式ヴィスタ景観ともいえるのが、この並木道なのです。
絵画館前通りが土木学会選奨土木遺産に認定されているのは、こうした理由から。
聖徳記念絵画館に近づくにつれより低いイチョウが植栽され、地盤も青山口から絵画館寄りでは1mほど下げ、遠近法により、絵画館の荘厳さを高める仕組み。
現在のイチョウの樹高は最高28.0m、目通り周り2m90cm、最低17.1m、目通り周り1m64cmです。
絵画館の正面階段上からイチョウ並木を眺めるとそのスケールが実感できます。
植栽されたイチョウは雄木44本、雌木102本の合計146本で、明治41年に新宿御苑のイチョウから種を採取し、宮内省南豊島御料地(現・明治神宮)の苗圃で、樹高6m内外に成長していた1600本から選抜された木を植栽しています。
明治神宮外苑の設計は、外苑の街路樹設計を含めて折下吉延(おりしもよしのぶ)が担当。
日本式典雅と洋風のを折衷する手法を取り入れています。
折下吉延は関東大震災後の復興計画の中で、東京の隅田公園、浜町公園、錦糸公園、横浜の山下公園なども手掛けています。
イチョウは、明治神宮外苑を管理する明治神宮が4年に一度、落葉した冬場に円錐三角に樹姿を整える作業が行なわれています。
例年黄葉の時期の11月中旬~12月上旬には『神宮外苑 いちょう祭り』も開催。
明治神宮外苑・イチョウ並木 | |
名称 | 明治神宮外苑・イチョウ並木/めいじじんぐうがいえん・いちょうなみき |
所在地 | 東京都港区北青山・新宿区霞岳町 |
関連HP | 明治神宮外苑公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ外苑前駅、東京メトロ・都営地下鉄青山一丁目駅から徒歩3分 |
ドライブで | 首都高速外苑ランプから300m |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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