駒沢給水塔

駒沢給水塔

東京都世田谷区弦巻2丁目にある東京水道名所にも選定される東京都水道局の給水施設が、駒沢給水塔(駒沢給水所配水塔)。南豊島郡渋谷町(昭和7年、東京市に編入、渋谷区の一部に)が、人口増大を背景に、東京府荏原郡駒澤町弦巻に築いた給水塔で、関東大震災後の大正13年に完成。土木学会選奨土木遺産に認定。

大正13年完成、日本初のコンクリート式配水塔

駒沢給水塔

渋谷町(澁谷町)は、大正12年に多摩川河畔に砧下浄水所(きぬたしもじょうすいじょ)を完成させ、多摩川の水を浄水して駒沢給水塔に送水。
ポンプの力で給水塔に押し上げた後、重力で渋谷町へ送水する仕組み。

計画を担ったのは、東京市の水道事業推進の重鎮で「日本の近代上水道の父」、中島鋭治(なかじまえいじ=大正14年、土木学会会長に就任、2月17日脳溢血で急逝/中島に顧問を依頼した都市は東京市、名古屋市、仙台市、鹿児島市、高崎市、長岡市)。

2基並んだ配水塔は、内径13.937m、高さ22.72m(有効水深18.18m)で、デザインは中島鋭治。
欧風モダンの王冠のようなデザインは、明治20年〜明治23年にドイツ、イギリスなどヨーロッパで近代水道を学んだ経験を反映していると推測されます。
鉄筋コンクリートの配水塔としては日本初で、現在でも緊急時の応急施設としての機能を担って保存されています。
12本の付け柱から「双子のクラウン」とも称され、2基の配水塔はトラス橋で接続。

昭和7年10月、周辺郡部が東京市に併合されるのに伴い、渋谷町も東京市に編入。
渋谷町水道も東京市水道局に移管されています。

平成14年、東京都水道局は駒沢給水塔の装飾球の復元、トラス橋の全面塗装替えを行ない、塔屋の夜間照明を実施。

東京3大配水塔と称される駒沢給水塔、野方配水塔、大谷口配水塔(平成17年に取り壊し)は、いずれも中島鋭治の設計。
駒沢給水塔は立入禁止で、内部の見学はできません。

駒沢給水塔
駒沢給水塔
名称 駒沢給水塔/こまざわきゅうすいとう
所在地 東京都世田谷区弦巻2-41-5
関連HP 世田谷区公式ホームページ
電車・バスで 東急電鉄桜新町駅、駒沢大学駅から徒歩15分
問い合わせ 世田谷総合支所地域振興課 TEL:03-5432-2818/FAX:03-5432-3031
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

旧野方配水塔

関東大震災後、東京市に隣接した町村の急激な都市化による水の需要に応じるため当時の13市町村によって造られた荒玉水道の給水場につくられた塔が野方配水塔。昭和41年に現役を退き、災害用給水槽として平成17年まで活用され、現在、旧野方配水塔として

馬水槽

馬水槽

東京都新宿区新宿3丁目、JR新宿駅の東口駅前広場にあるのが、馬水槽。赤花崗岩で造られた水槽で、前面の上部が馬用、下部が犬猫用の水飲み場、その裏面が人間の水飲み場という珍しいもの。明治39年、当時の東京市役所前(現在の千代田区、東京国際フォー

 

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