東京都品川区南品川4丁目にある時宗の寺が、海蔵寺(かいぞうじ)。永仁6年(1298年)創建の古刹で、江戸時代に品川宿が設置されて以降は、品川にあった鈴ヶ森刑場で処刑された人々、品川宿の飯盛女(事実上の遊女)、行き倒れの人などを葬ったことから、投込寺とも称されていました。
品川宿の飯盛女、鈴ヶ森刑場の刑死者を供養した投込寺
品川宿は、幕末に90軒の遊郭があったというほど、吉原と並ぶ色街でした。
幕府公認の遊郭は吉原だけで、品川宿は形式上は飯盛旅籠屋(めしもりはたごや)として営業を認められてもいました。
関東大震災で吉原遊廓が焼失すると、直後に品川の遊郭はさらに繁栄し、大正13年には年間53万人の集客があったほどです(娼妓の数は4000人ほど)。
宝永5年(1708年)、土地の有力な信者集団が刑死者、飯盛女などの無縁仏を改葬して墳墓を築き、その上に観音像を安置したのが今に伝わる頭痛塚(無縁供養塔群)。
天保の大飢饉の折になくなった215人を祀る215人塚も合葬され、頭痛持ちの人が平癒祈願するとご利益があるとされてきました。
境内には、慶応元年(1865年)の造立の津波溺死者供養塔、大正4年の京浜鉄道轢死者供養塔、昭和7年の関東大震火災横死者供養塔などもあり、投込寺と称された歴史がよくわかります。
東京の投込寺としては、品川宿の海蔵寺のほか、吉原の遊女を投げ込んだという浄閑寺(荒川区)、内藤新宿の飯盛女の成覚寺(じょうかくじ/新宿区)、千住宿の金蔵寺(こんぞうじ/台東区)、板橋宿の文殊院(板橋区)が知られています。
海蔵寺 | |
名称 | 海蔵寺/かいぞうじ |
所在地 | 東京都品川区南品川4-4-2 |
電車・バスで | 京浜急行新馬場駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 海蔵寺 TEL:03-3474-8370 |
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