【地図を旅する】vol.19 知る人ぞ知る「野岩鉄道の秘境駅」は、関東最北の無人駅

男鹿高原駅

栃木県日光市横川にある野岩鉄道会津鬼怒川線の駅が、男鹿高原駅(おじかこうげんえき)。秋田県の男鹿半島の高原かと思えるような駅名ですが、福島県境に近い栃木県。駅前には緊急ヘリポートがあるのみで、まさに秘境駅。1日の平均乗降客も1人に満たないという数ですが、区間快速は停車します。

男鹿高原の名に誘われて下車してもヘリポートがあるだけ!

男鹿高原駅

標高759.7mというまさに高原に位置していますが、周囲にはそれらしい施設は何もありません。
野岩鉄道沿線では東武グループが開発した会津高原があり、スキー場、リゾートホテル、ペンションビレッジが揃っていますが、男鹿高原には何もありません。

施設らしいもの、そして男鹿高原の名があるものは「男鹿高原駅前広場緊急ヘリポート」くらい。
男鹿高原という名もいかにも取って付けたような名前ですが、一応「男鹿紳一郎」という鹿のキャラクターが「男鹿高原駅キャラクター」として設定されています。

「男鹿高原駅前広場緊急ヘリポート」は実は、周辺の山岳救助用のヘリポート。
ここで救助された遭難者は、ヘリと救急車が連携し、地域の基幹病院へと運ばれる仕組みです。

男鹿高原駅があるのは、高齢化による過疎化が進む横川地区。
男鹿高原という名も(男鹿は近くを流れる男鹿川に由来)、周辺の観光開発などを期待して「高原」を付けた名だと推測されますが、ペンションなどが建つこともなく、秘境駅化しているのです。
地元では野岩鉄道と連携し、過去には駅前に芝桜を植栽するなどもしていますが、あまり効果はないようです。

栃木県側最奥の集落・横川の玄関駅ですが、国道121号沿いの横川集落(会津藩横川関所跡などがあります)へも男鹿川沿いに徒歩30分と、まさに関東最北の秘境駅となっているのです。

ちなみに駅から沢沿いに伸びる越路林道(一般車通行止め)の奥には、大正年間に創業を開始した銅山、越路鉱山の跡があります。
昭和30年代までは採掘が行なわれていましたが、廃鉱になっています。

【地図を旅する】vol.19 知る人ぞ知る「野岩鉄道の秘境駅」は、関東最北の無人駅
名称 男鹿高原駅/おじかこうげんえき
所在地 栃木県日光市横川680-5
関連HP 野岩鉄道公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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ラジオ・テレビレジャー記者会会員/旅ソムリエ。 旅の手帖編集部を経て、まっぷるマガジン地域版の立ち上げ、編集。昭文社ガイドブックのシリーズ企画立案、編集を行なう。その後、ソフトバンクでウエブと連動の旅行雑誌等を制作、出版。愛知万博公式ガイドブックを制作。以降、旅のウエブ、宿泊サイトにコンテンツ提供、カーナビ、ポータルサイトなどマルチメディアの編集に移行。

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