焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所)

焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所)

徳島県神山町にある焼山寺(しょうさんじ)は、四国八十八ヶ所霊場第12番札所で、焼山寺山の険しい山中にあり「遍路ころがし」と呼ばれる6ヶ所ある難所の一つでしたが、現在は山上まで自動車道が開通しています。杉木立に囲まれた山門の標高は800m。修験道の開祖・役小角(役の行者)が焼山寺山に庵を結び蔵王権現を祀ったのが創始という古刹です。

火を噴く毒蛇伝説の残る古刹

焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所)
焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所)

阿波霊場三難所(「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」)の筆頭に上げられるのがこの焼山です。
阿波遍路道・焼山寺道(0.960km)、阿波遍路道・一宮道(0.953km)は、国の史跡となっています。

寺伝によると、この焼山寺山(標高938m)には火を噴く毒蛇がいて、空海(弘法大師)が登山しようとしたときにも全山が火の海でした。
しかし、空海が垢取川で身を浄め真言を唱えると火は消え、9合目の岩窟から毒蛇が現れます。
すると虚空像菩薩(こくぞうぼさつ)が示現し、毒蛇を岩窟に閉じ込めたのだとか。
空海は虚空像菩薩を刻んで本尊とし、寺号を火の山にちなみ焼山寺、山号を火の恐れがあるので摩盧山(摩盧=梵語で水輪すなわち水を意味する)としたのだと伝わります。

古来から弘法大師修行の地として知られ、中世には武士や庶民の信仰も集め、足利尊氏はこの寺を祈願所としました。
近世には藩主・蜂須賀家の帰依を受け繁栄。

参道の両側には杉の古木が並び深山幽谷の趣。
大師堂右側から登る奥の院への途中には空海が護摩を修した大岩も残されています。
三面大黒天堂に安置される三面大黒天は空海自刻と伝わり、除災招福にご利益があります。

霊場間の距離・時間

11番札所・藤井寺(徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525) — (43km/1時間30分) — 12番札所・焼山寺(徳島県名西郡神山町下分地中318) — (30km/1時間) — 13番札所・大日寺(徳島県徳島市一宮町西丁263)
 

焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所) DATA

名称 焼山寺(四国八十八ヶ所霊場第12番札所)/しょうざんじ
所在地 徳島県名西郡神山町下分地中318
関連HP 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで JR徳島駅から徳島バス神山町方面行きで1時間20分、寄井下車、タクシーで20分
ドライブで 徳島自動車道土成ICから約37km
駐車場 80台/有料、駐車場から徒歩10分
問い合わせ TEL:088-677-0112
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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