太龍寺(四国八十八ヶ所霊場第21番札所)

徳島県阿南市にある八十八ヶ所霊場第21番札所が太龍寺(たいりゅうじ)。20番の鶴林寺からは徒歩3時間。「一に焼山(焼山寺)、二にお鶴(鶴林寺)、三に太龍(太龍寺)」といわれる阿波の三難所の一つで、標高600.1mの太竜寺山の山頂に建っていますが、今では太龍寺ロープウェイが山上まで通じていて、お遍路もグンと楽に。

壮大なスケールを誇る山頂に建てられた古刹

798(延暦17)年、桓武天皇の勅命で空海(弘法大師)が創建。
空海は788(延暦7)年・15歳、793(延暦12)年・19歳にも太龍嶽で修行をしたという空海ゆかりの霊山となっています。

793(延暦12)年、19歳の空海は太龍嶽(舎心ヶ嶽)の上で百日間にわたり「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」を修法。
797(延暦16)年に空海が24歳で著した『三教指帰』には「阿国太瀧嶽に躋(のぼ)り攀(よ)ぢ土州室戸崎に勤念す」と記されています。

境内には樹齢数百年の古杉が林立し、江戸時代に再建された本堂、六角経蔵、大師堂、多宝塔、鎌倉時代建立の仁王門(金剛力士像は鎌倉時代の作)などが荘厳な姿を見せ「西の高野山」とも呼ばれています。

1852(嘉永5)年建立の本堂、1861(文久元)年建立の多宝塔、1856(安政3)年建立の六角経蔵、1806(文化3)年建立の仁王門、そして明治時代再建の大師堂、御影堂、護摩堂、本坊、鐘楼門は国の登録有形文化財に指定されています。

本尊は虚空蔵菩薩。
皇室や武家の尊信が厚く、平安時代の後期には子院12ヶ寺をもつほどに繁栄。
戦国時代に「天正の兵火」で多くの堂宇を失い、仁王門のみが中世のもの。

平成4年に全長2775mで西日本最長という太龍寺ロープウェイが中腹の駐車場から山上へと通じ、余儀なかった30分の坂道上りを回避できるようになりました。
駐車場はロープウェイ利用の場合のみ無料。

加茂谷へと続くかも道のうち太龍寺側1.34kmは、最古の遍路の道が残される場所で、国の史跡「阿波遍路道」に指定されています。

持仏堂の天井絵

霊場間の距離・時間

20番札所・鶴林寺(徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾) — (10km/20分) — 21番札所・太龍寺(徳島県阿南市加茂町龍山) — (14km/25分) — 22番札所・平等寺(徳島県阿南市新野町秋山)

太龍寺(四国八十八ヶ所霊場第21番札所)
名称 太龍寺(四国八十八ヶ所霊場第21番札所)/たいりゅうじ
Temple 21: Tairyuji
所在地 徳島県阿南市加茂町龍山2
関連HP 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで JR桑野駅から徳島バス川口方面で20分、和倉東下車、山麓駅まで徒歩10分、ロープウェイで山頂駅まで10分
ドライブで 神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約43kmでロープウェイ乗り場
駐車場 太龍寺ロープウェイ駐車場(200台/有料、ロープウェイ利用の場合は無料)
問い合わせ 太龍寺 TEL:0884-62-2021
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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