尾張津島天王祭|津島市|2023

尾張津島天王祭

2023年7月22日(土)~7月23日(日)、愛知県津島市で『尾張津島天王祭』が行なわれます。近世まで津島牛頭天王社(つしまごずてんのうしゃ)と呼ばれた津島神社の祭事で、酷暑の夏に、疫病が流行しないように祈願する祭りで東海地方各地の『祇園祭』のルーツ。土曜18:00〜宵祭(提灯祭)、日曜9:10〜朝祭(車楽祭)。

「日本三大提灯祭」、「日本三大祗園祭」にも

土曜の宵祭は、船2艘を横に連結し、中心に真柱を立て、そこに1年の月数12個(閏年13個)の提灯をつけ、半円形に1年の日数365個(閏年は366個)の提灯を装着。
提灯が飾り付けられた巻藁舟5艘(津島五車/旧津島5ヶ村=下構・堤下・米之座・今市場・筏場)が車河戸から津島楽を奏しながら(試楽)御旅所に漕ぎ渡るもの。

日曜の朝祭は、市江車(いちえぐるま)を先頭に6艘の車楽船が能の出し物をかたどった置物を飾り、楽を奏でながら漕ぎ進むもの。
先頭の市江車から10人の鉾持が布鉾を持って水中に飛び込み、川を泳ぎ、神社に向かって走ります。
市江車は、2艘の舟を並べた上に屋形を置き、その上に2層の屋台を載せた津島五車より大きな舟山車。
津島市の南5kmの旧市江村(現・愛西市)から出されるものです。
明治32年の佐屋川廃川以前には、市江村と津島は佐屋川と天王川によって結ばれていたのです。

宵祭と朝祭は「尾張津島天王祭の車楽舟行事」として国の無形民俗文化財に指定。
尾張津島天王祭車楽(だんじり)舟行事としてユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されています(全国33の祭礼が登録)。

また『秋田竿燈まつり』、『二本松提灯祭』と並んで「日本三大提灯祭」、大阪天満宮の『天神祭』、宮島・厳島神社の『管絃祭』と並び「日本三大川祭」、さらには『祇園祭』(京都・八坂神社)は『博多祇園山笠』(福岡・櫛田神社)と並び「日本三大祇園祭」に数えられることもあります。

織田信長も見学した『尾張津島天王祭』

室町時代に始まったという尾張津島天王祭。
戦国時代の津島は、「尾張の金銀はすべて津島を経由する」というほどに繁栄した尾張随一の商業都市でした。

近くにあった勝幡城(しょばたじょう)を拠点とする織田家もこの津島の財力を背景にして台頭し(織田信長も勝幡城で生誕)、尾張統一を果たし、ついには織田信長が天下統一を果たしたのです(津島を支配するために勝幡城を居城に)。

『大祭筏場車記録』の弘治4年(1558年)の条に、「かずさ殿、橋の上に御座候て、御見物なされ候、女房達橋坊主のうらに桟敷を打ち、それに御座候」と記されていますが、織田信長は、家督継承を機に「上総守信長」を名乗り、のちに「上総介信長」と称していたので、この記述は信長の津島天王祭見学の記述ということに。

さらに天正10年6月2日(1582年6月21日)、本能寺で明智光秀に討たれた信長ですが、その年の『尾張津島天王祭』は飾り物を廃し、素車の車楽船を出し、大山車も取りやめ、津島の庇護者でもあった信長・信忠親子に弔意を表しています。

ちなみに、津島神社(神仏習合時代には津島牛頭天王社)は織田家の産土神(うぶすながみ)で、神紋は木瓜紋と織田家の家紋と同じです。

尾張津島天王祭
歌川広重『六十余州名所図会』尾張 津嶋 天王祭り
尾張津島天王祭|津島市|2023
開催日時 2023年7月22日(土)~7月23日(日)/7月第4土・日曜
所在地 愛知県津島市神明町1
場所 津島神社・天王川公園
関連HP 津島市公式ホームページ
電車・バスで 名鉄津島線津島駅から徒歩12分
ドライブで 東名阪自動車道弥富ICから約7km
問い合わせ 津島市観光協会 TEL:0567-28-8051
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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