観音院・観音院庭園

観音院は鳥取藩主池田家の祈願所だったところで、中国観音霊場32番札所。創建時には栗谷にありましたが、御用地となったため、1639(寛永16)年頃、現在地の上町に移されています。国の名勝に指定された観音寺庭園は、鳥取藩初代藩主・池田光仲が1650(慶安3)年から10年を費やして造らせた池泉観賞式庭園で、国の名勝。

狩野派山水画の手法の池泉観賞式庭園が見事!

桜咲く春の観音院
桜咲く春の観音院

観音院庭園は、3割が池で占められていますが、京都風の庭園が地方に伝わった典型例といわれ、逆三角形の芝生池に3個の石をさりげなく配した築山や亀島・鶴島などを巧みに配した池は狩野派山水画の手法。
池の正面には蓮莱庭園様式の亀島を大きく配し、南西にある出島を鶴島に見立てています。亀島の背後には、滝の石組があり、水落石や、水分石が元禄時代の手法のままに残されています。

「芝生敷の築山によって、なだらかな線を画き出しているのは、観音院庭園の特色で、桃山時代から江戸時代にかけての武家書院庭の様式。庭の地割のなかに、池庭部の空間をつくるなどの手法は絵画的でもあり、狩野派の水墨山水図の影響を強く受けています」とのこと。

書院からだけでなく観音堂裏、竹薮の入口からも眺められるように工夫され、庭園背後の源太夫山の山域を含めて4万3845平方メートルが国の名勝になっています。

書院から眺める庭園
書院から眺める庭園

観音院の正式名は、補陀落山慈眼寺観音院(ふだらくさんじげんじかんのんいん)で天台宗の寺。池田光仲は観音信仰に篤く、観音院も寺格の高い「八ヶ寺」に列せられています。
観音院本尊の聖観世音菩薩は、安置される壇が移るたびに大寺の本尊となったため出世本尊の別名があります。拝観は、抹茶と説明付きで、お庭をじっくりと堪能できます。

観音院・観音院庭園
観音院・観音院庭園
鳥取藩四ヶ寺・八ヶ寺
池田光政と光仲の播磨姫路藩から鳥取藩への国替えの際に、光仲に伴って鳥取城下に移った寺院が、龍峯寺などをはじめ17ヶ寺ありました。鳥取藩・池田家では菩提寺・祈願所を「四ヶ寺」・「八ヶ寺」と称して待遇上の格式を定めています。
四ヶ寺に定められた寺院は大雲院、興禅寺、龍峯寺、慶安寺。八ヶ寺に定められた寺院は日香寺、芳心寺、真教寺、最勝院、観音院、円城院、法泉寺、妙要寺の8寺。
寺格の高い四ヶ寺、八ヶ寺が栗谷、上町、現在の立川町付近の山裾もしくは寺町に密集して配しています。これは城下の防御的な意味合いと、宗派の関係(寺町に浄土宗の寺院が集中)があったと推測できます。当初の大雲院があった場所が樗谿公園のように火事によって移転し、創建当初の場所にない寺も多いのが特徴です。

観音院の年中行事

3月彼岸中日/彼岸法要=春の彼岸の法要です
8月20日/盆施餓鬼法要=餓鬼の供養も行なって徳を積みます
8月24日/秋葉山祈祷護摩
9月彼岸中日/彼岸法要=秋の彼岸の法要です
11月24日/天台大師会=中国で天台宗を開いた天台大師智顗(ちぎ)の命日にあたり、天台宗各寺院で法要が執り行なわれます

観音院・観音院庭園
名称 観音院・観音院庭園/かんのんいん・かんのんいんていえん
所在地 鳥取県鳥取市上町162
関連HP 鳥取市観光コンベンション協会公式ホームページ
電車・バスで JR鳥取駅から徒歩15分
ドライブで 鳥取自動車道鳥取ICから約6.8km
駐車場 14台/無料
問い合わせ 観音院 TEL:0857-24-5641/FAX:0857-24-5641
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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