鳥取県鳥取市国府町にある古墳が、梶山古墳(かじやまこふん)。昭和53年、中国地方で初めて彩色壁画が発見され、さらに発掘調査で日本最古の方形壇を持つ変型八角形墳であることが判明(八角墳は天皇陵などに採用された形式)。因幡地方の貴重な古墳として国の史跡になっています。
鳥取市にある装飾古墳は、日本最古の方形壇を持つ変型八角形墳
当初、円墳だと思われていた古墳ですが、平成3年〜平成7年にかけて行なわれた試掘調査で、変形八角形墳であることが判明(国の史跡に指定された昭和54年には円墳だと思われていました)。
丘の南面を掘り込んだ古墳で、墳丘部は対角長17m、一辺2.5~8.5mの変型八角形。
墳丘の南面に祭祀を行なった方形壇が配されています。
出土した遺物などから、6世紀末〜7世紀初(古墳時代後期~終末期)の築造と推測され、被葬者は天武4年(675年)、因幡国に配流された皇族の麻績王(おみのおう)との説もある。
麻績王の流罪先は、『日本書紀』に因幡とありますが、『万葉集』には伊勢国の伊良虜の島(愛知県の伊良湖岬と三重県側・志摩との間にある島)とあり、定かでありません。
横穴式石室は玄室、玄門、前室、羨道で構成され、全長9m、石室の奥壁には赤いベンガラ(紅殻)で、体長53cmの魚の絵、その上に曲線文、両側に同心円文(日・月)と三角文が描かれています。
石室は年に一度、通常は秋(例年10月上旬の土日)に行なわれる公開時以外は見学できませんが、「因幡万葉歴史館」に原寸大の石室レプリカが展示されています。
精巧な構築技術と特異な壁画など、優秀な渡来技術者により築造されたことがわかり、装飾壁画も中国・四国随一ということから、かなり高貴な人物の墓であることは明らか。
古代の因幡を今に伝える貴重な古墳なので、時間が許せば、「因幡万葉歴史館」にも立ち寄りを。
ちなみに、梶山古墳のある国府町には、天平宝字2年(758年)に大伴家持(おおとものやかもち)も因幡守として赴任した因幡国庁跡も見つかっており、古代の因幡の中心だったことがよくわかります。
梶山古墳 | |
名称 | 梶山古墳/かじやまこふん |
所在地 | 鳥取県鳥取市国府町岡益 |
関連HP | 鳥取市公式ホームページ |
ドライブで | 鳥取自動車道鳥取ICから約11km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 鳥取市国府町総合支所産業建設課 TEL:0857-30-8656/FAX:0857-27-3064 |
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