あまり知られていませんが、現在JRの特急列車で、「あずさ1号」、「しなの1号」、「やくも1号」など1号、3号、5号という奇数は下り列車、逆に2号、4号、6号などは上り列車です。新宿駅発、下り「あずさ2号」は、現在は存在しません。では鉄道の上り、下りはどのように決められているのでしょう?
ルーツは徒歩や船の交通手段で、都に向かうのが「上り」

かつて徒歩や馬、船などが長距離交通の手段だった中世から近世、京の都に向かうことを「上洛」、「京上」と称したように、「都に上る」と称されたのが、上り、下りの始まりです。
明治時代まで、日本最大の物流を担っていたのが、日本海側の北前船(西廻り航路)ですが、蝦夷地(えぞち=ほっかいどう)に行くのが下り船、下関を回り瀬戸内に入って大坂(現・大阪)を目指すのが上り船と称していました。
明治維新で都が東京に移って以降は、「上京」という言葉が生まれるように、東京(東の京)に向かうのが上りという感覚になったのです。
鉄道の場合はもう少し単純で、起点から終点が下り、終点から起点が上りということに。
日本の鉄道は、原則として下り列車に奇数、上り列車に偶数の列車番号を割り当てています。
たとえば宇都宮線を走る533Mは、ひと目で下り列車とわかります(JR時刻表などにはこの列車番号が表示されいるほか、駅の案内にも表示され、放送などでも「533M接近」、「533mお客様乗車終了」などと業務連絡されることがあります)。
JRの場合は、かつて全国を網羅していた鉄道院、国鉄などの前身から、長距離を走る際に、上り、下りがコロコロと変化するのはよくないので、鉄道が初めて敷かれた新橋駅(後に東京駅)を起点駅(東海道線、東北本線、中央本線などの起点)としたので、東京駅に集まる列車はすべてが上り列車となるのです。
東京駅をまたいで走る列車はどうなっている!?

京浜東北線などは、東京駅をまたいで走るため、横浜方面から大宮方面が北行、その逆が南行と呼び分けています。
列車番号は大船方面が奇数、大宮方面に偶数(上り扱い)としています。
同様に上野東京ラインも東京駅をまたぐ運行がありますが、熱海方面の列車に奇数、宇都宮方面に偶数と京浜東北線と同じ扱いです。
少し複雑なのは総武快速線・横須賀線。
東京駅(地下駅)をまたいで直通運転されていますが、実は、横須賀線と総武快速線で別路線扱いに。
東京駅で列車番号を変え、東京駅までが偶数、東京駅から奇数の番号を付けています。
逗子発の702Sは東京駅で703Fに変身し千葉まで走るといった具合です。
山手線は、便宜的に外回りに奇数の列車番号(下り扱い)、内回りに偶数を割り振っています。
武蔵野線は起点が鶴見駅、終点が西船橋駅なので、西船橋駅方面への列車が下りです。
ところが一部に京葉線に乗り入れ、東京駅まで走る列車があります。
途中駅では東京方面への下り列車という感じですが、列車番号はちゃんと西船橋駅で変わっているのです。
愛知県の知多半島を走る武豊線は、本来は上りとなるはずの大府方面が下り、盲腸線終点の武豊方面への列車が上りとなっていますが、東海道線の物資を運搬するため、東海道本線開通以前に敷設されたため、起点が武豊(当初は武豊港)で、大府・東京方面が下りという扱いに。
大府駅では東海道本線・東京方面も、武豊線もともに上りという現象が生まれていますが、本来の「起点駅から終点駅へが下り」という大原則は踏襲されています。
私鉄もターミナル駅へが上りですが、例外的には東京メトロがあります。
走る路線の起点から終点方面を「A線」、終点から起点方面を「B線」と呼び分けています。
ただし、利用者への案内は行先となているので、あくまで鉄道会社側の区別ということに。
| 鉄道の「上り」と「下り」は何で決まる!? | |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |













