有田川の上流、山あいに広がる和歌山県有田川町(旧清水町)は、川のせせらぎとのどかな農村風景が懐かしさを誘います。この有田川町に、全国的にも有名な棚田の景観が。それが蘭島(あらぎ島)で、弧を描くように流れる川に囲まれた美しい扇形の田で、河岸段丘を利用した江戸時代初期からの歴史ある棚田、「日本の棚田百選」に選定。
江戸時代に築かれた美しい棚田
寛文元年(1661年)、山保田組(現・有田川町清水地区)の初代大庄屋・笠松左太夫が私財をなげうって苦労の末、段々畑を棚田に造り変えたもので、その当時に開削整備された用水路は今なお現役。
2.4ha、棚田の平均勾配は1/12で、数軒の農家が耕作を行なっています。
栽培されるのは、ミネアサヒ、ヤマヒカリ、もち米。
水田に空や雲が映る春、54枚の田の緑がまぶしい夏、そして稲穂が金色に輝く秋と、四季折々に美しい表情を見せる棚田となっています。
春先にはレンゲ、初秋には彼岸花が咲き、背後の山並や農村の風景に彩りを添え、訪れる人の期待を裏切らない光景が展開。
蘭島(あらぎ島)と周囲の景観は、「蘭島及び三田・清水の農山村景観」として和歌山県では初の国の重要文化的景観になっています。
文化7年(1810年)の『山保田続風土記』には「あららぎ」とルビがふられていることから、当初は「あららぎ」と呼ばれていたと推測できます。
川沿いの耕地を「島」と呼ぶので、「あららぎ」地区の「島」が転訛してあらぎ島になったもの。
道の駅「あらぎの里」に車を入れて、高野街道(高野有田街道)と龍神街道の分岐点に位置する展望所までは700mほど。専用の駐車場に車を入れれば展望所までは100mほど。
高野街道は高野山へと続く古道。
龍神街道は、紀州藩初代藩主・徳川頼宣が和歌山城から龍神温泉へ湯治に通った道です。
名称 | 蘭島(あらぎ島)/あらぎじま(あらぎじま) |
所在地 | 和歌山県有田郡有田川町三田 |
関連HP | 蘭島及び三田・清水の農山村景観公式ホームページ |
電車・バスで | JR藤並駅から有田鉄道バス花園行きで1時間、三田下車、徒歩3分 |
ドライブで | 阪和自動車道有田ICから約31km |
駐車場 | あらぎ島展望所駐車場・道の駅あらぎ島駐車場 |
問い合わせ | 有田川町 教育委員会社会教育課 TEL:0737-52-2111 |
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