根来寺・国宝 大塔

根来寺・大塔

和歌山県岩出市にある根来寺(ねごろじ)は、新義真言宗総本山。豊臣秀吉の根来攻めで多くの堂塔を焼失していますが、創建当時からの建物として現存するのが、大塔。総高36m、国宝にもなっている多宝塔で、真言密教の教義を形の上で示したもの。国宝の指定名称は、根来寺多宝塔(大塔)です。

日本最大の多宝塔で、唯一大塔方式を伝える塔

根来寺・大塔

天文16年(1547年)に建立された高さ37m、横幅15m、本瓦葺きの大塔。
かつて高野山にあった根本大塔をモデルにしたといわれ、一般の多宝塔と異なり、下重(裳階部分)が方五間あり、内部に柱を円形に配置して内陣(ないじん)と外陣(げじん)を区画する大塔形式を伝えるもの。
12本の円柱を円形に配置して上重を支える円形塔身の様式です。

しかも、解体修理の際に発見された数多くの墨書(ぼくしょ)から、明応5年(1496年)に心柱(しんばしら)を立て立柱式(りっちゅうしき)を実施、かなりの年月を費やしてようやく天文16年(1547年)に完成したことも明らかに。

唯一国内に現存する五間四方の大型多宝塔で、しかも建築年がわかるということで、国宝に。

天正13年(1585年)の豊臣秀吉の紀州攻め(根来攻め)では、根来寺の多くの堂宇を焼失していますが、奇跡的に焼かれることはありませんでした。
よく観察すると、火縄銃の弾痕が残されています。

大塔は内部拝観も可能です(拝観料が必要)。
国宝に指定される大塔内に入り、拝観できるのは根来寺大塔のみ。

根来寺・大塔

密教建築の大塔とは!? 多宝塔との違いは!?

高野山の根本大塔に代表される大塔は、空海が高野山を開いたときに創始されたという密教建築。
下層は方五間(通常の多宝塔は方三間)で裳階(もこし=屋根に見えるひさし)を有し、その上に円形平面の屋根が乗る形式です。
内部は、四天柱あるいは12本の円形柱列で、根来寺の場合は後者です。

いわゆる多宝塔はこれを小型化した下重方形・上重円形の二重形式の塔のこと。

高野山・根本大塔
高野山・根本大塔は再建
根来寺・国宝 大塔
名称根来寺・国宝 大塔/ねごろじ・こくほう だいとう
所在地和歌山県岩出市根来2286
関連HP根来寺公式ホームページ
電車・バスでJR紀伊駅から和歌山バス15分、根来下車、徒歩20分
ドライブで京奈和自動車道岩出根来ICから約2km
駐車場50台/無料
問い合わせ根来寺 TEL:0736-62-1144/ FAX:0736-62-1044
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
根来寺

根来寺

和歌山県岩出市、紀ノ川の支流、根来川(ねごろがわ)流域にある新義真言宗の本山、根来寺。隆盛を極めましたが、天正13年(1585年)、豊臣秀吉の根来攻めで焼失。それでも国宝の大塔(多宝塔)のほか大師堂、大伝法堂など、国の重要文化財に指定される

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