志都岐山神社

志都岐山神社

山口県萩市堀内、萩城跡(指月公園)・旧本丸に鎮座するのが、志都岐山神社(しづきやまじんじゃ)。かつての県社で、祭神は毛利元就(もうりもとなり)、毛利隆元、毛利輝元、毛利敬親(もうりたかちか)、毛利元徳(もうりもとのり)を5柱として、初代から12代まで萩藩歴代藩主を祀っています。

萩城本丸跡に藩主を祭神に、明治11年に創建

萩城(指月公園)
萩城跡(指月公園)空撮PHotoMap

指月山を詰城にした萩城内には、藩政時代に鎮守・宮崎八幡宮、真言宗・満願寺(防府に移転)、臨済宗・洞春寺(毛利元就の菩提寺、藩庁が山口に移転するのに伴い山口に移転)、仰徳社、妙玖寺など、毛利家ゆかりの寺社(神仏習合)が配されていましたが、移転しなかった寺社は明治維新後すべて廃絶されています。

それに代わって、明治初期に、全国的に旧藩主を祀る神社が創建されるというブームを受けて、明治11年、豊榮神社、野田神社の分社というかたちで創建したのが志都岐山神社です。
神社創建にあたって、その境内が園地化したのが指月公園ということに。

社務所は永代家老福原家の書院を移築したもの。
参道途中、旧明倫館遺構「万歳橋」(ばんせいばし)の東側には純白の花と緑色のガクが特徴という珍しいミドリヨシノ(ソメイヨシノに似ていますがガクが緑色)と呼ばれる桜もあり、3月中旬~下旬に花を咲かせています。
萩市以外では確認されていない樹種で、萩市に2本のみという珍しいもので、山口県の天然記念物に指定。
萩藩7代藩主・毛利重就(もうりしげなり)が参勤交代の際に萩に持ち帰ったものと伝えられています。

昭和11年、王政復古70周年を記念して、萩文芸協会が建立した「三百年の萩の花一たび揺れて血の勝利」詩碑は、『明治大学校歌』(白雲なびく駿河台)の作詩者としても知られる児玉花外(こだまかがい/児玉家は代々萩城下町に住んでいましたが、維新後に転居、児玉花外は京都生まれ)の詩で、防長学生連盟の団歌の冒頭の句。

ちなみに、指月とは、仏教用語で、指は仏教の教え(仏典)、月は教理で、月を指し示すのに、教えられる方はその指先しか見ないと月を失うの意(道理を説き聞かせても、その本旨を理解しないの意)。

志都岐山神社
名称 志都岐山神社/しづきやまじんじゃ
所在地 山口県萩市堀内2区城内1-1
関連HP 萩市観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR萩駅から萩循環まぁーるバス西回りで34分、萩城跡・指月公園入口下車、徒歩10分
ドライブで 中国自動車道山口ICから約46km
駐車場 指月第一駐車場(51台/無料)
問い合わせ 萩市観光課 TEL:0838-25-3139
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
萩城跡(指月公園)

萩城(指月公園)

山口県萩市街の北西、海に突き出すようにそびえる指月山(しづきやま/標高145m)の山頂と山麓に、慶長9年(1604年)から4年の歳月をかけ、毛利輝元(もうりてるもと)が築城した、平山城の城跡が萩城跡(はぎじょうせき)。平城部分が指月公園とし

指月山(萩城・詰丸)

指月山(萩城・詰丸)

山口県萩市堀内、萩を流れる阿武川デルタ(橋本川は派流)の北西端の海沿いに、まるでお椀を伏せたような形状の山(標高141.8m)が、指月山(しづきやま)。日本海を見下ろすこの天然の要塞には、いざというときのための萩城の詰城(詰丸)が築かれ、城

萩藩主毛利家墓所(旧天樹院墓所)

萩藩主毛利家墓所(旧天樹院墓所)

山口県萩市堀内、堀内体育館近くにある毛利家墓所のひとつが、萩藩主毛利家墓所(旧天樹院墓所)。豊臣政権の五大老のひとり、毛利輝元とその妻・南の大方(清光院)、殉死した長井次郎左衛門が眠っています。毛利輝元の菩提寺、天樹院は廃寺になっています。

旧福原家書院

旧福原家書院

山口県萩市堀内、萩城跡(指月公園)内にある、志都岐山神社(しづきやまじんじゃ)の社務所で、萩城三の丸(堀内)にあった永代家老・福原家上屋敷の書院を移築したものが、旧福原家書院(きゅうふくばらけしょいん)。天明年間(1781年~1788年)頃

花江茶亭

花江茶亭

山口県萩市堀内、萩城跡(指月公園)内にある茶室が、花江茶亭(はなのえちゃてい)。安政年間(1855年〜1860年)初期、長州藩13代藩主・毛利敬親(もうりたかちか)が萩城三の丸の花江御殿内、橋本川沿いに建てた茶室「自在庵」で、明治22年頃、

梨羽家茶室

梨羽家茶室

山口県萩市堀内、萩城跡(指月公園)内、13代藩主毛利敬親(たかちか)の別邸にあった茶室「花江茶亭」に隣接して建つのが、梨羽家茶室(なしばけちゃしつ)。毛利家重臣、梨羽家の中津江にあった下屋敷の茶室を移築したもので、「煤払いの茶室」(すすはら

 

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