荒川ダム(能泉湖)

荒川ダム(能泉湖)

山梨県甲府市、国師岳を源流とし、甲府盆地を流れ笛吹川に合流する富士川水系の荒川に築かれたダムが荒川ダム。そのダム湖が能泉湖(のうせんこ)。荒川ダム(能泉湖)の下流には御岳昇仙峡(みたけしょうせんきょう)があり、災害防止、上水道の確保などを目的に造られた山梨県営の多目的ダムです。

御岳昇仙峡の上流にあるロックフィルダム

荒川は、河川の勾配が急峻なため大雨によってひとたび増水すると、水害が発生していました。
明治43年8月9日〜8月10日の大水害(荒川に架る荒川橋、飯豊橋、千秋橋が流出、甲府市全戸数の3分の1が床下浸水、御岳町は土砂崩落で30戸埋没)をはじめ、昭和10年9月21日〜9月26日の水害(荒川が各所で決壊、長松寺橋、千松橋、千秋橋が流出)、昭和34年の台風7号と台風15号(伊勢湾台風/甲府で床上・床下浸水1075戸)、昭和41年7月22日の集中豪雨など度々多大な被害を受けています。

明治時代の水害を背景に、明治44年3月11日、明治天皇は山梨県内にある天皇家所有の御料地(御料林)のほとんどを山梨県に下賜し、現在、山梨県の面積の3分の1を占める山梨県有林のルーツにもなっています(山梨県有林が水源涵養にも役立っています)。

荒川ダムは、荒川総合開発事業で、昭和61年3月の完成。
洪水防止のほか、甲府市に上水道用水を供給しています。
御岳昇仙峡を走る昇仙峡グリーンラインから山梨県道112号(川窪猪狩線)には入ればすぐ荒川ダム。

堤高88m、堤頂長320mの中央遮水壁型ロックフィルダムが周囲の自然(秩父多摩甲斐国立公園に指定)にマッチ。
堤頂標高は、808mで、ダム周辺に広がる森林は、カラマツ、ミズナラ、白樺などが茂る森で御岳昇仙峡水源の森(金峰山の山頂に至る6438ha)と名付けられ、林野庁の水源の森百選に選定されています。
荒川ダムのすぐ上流側には多目的広場も設けられ、展望スポットになっています。

荒川ダムの上流には板敷渓谷があり(徒歩15分の場所に大滝が)、山梨県道112号川窪猪狩線をそのまま走ると、クリスタルラインに合流します。

荒川ダム(能泉湖)
名称 荒川ダム(能泉湖)/あらかわだむ(のうせんこ)
所在地 山梨県甲府市高町・川窪町
関連HP 山梨県公式ホームページ
電車・バスで JR甲府駅からタクシーで30分
ドライブで 中央自動車道双葉スマートICから約17km
駐車場 30台/無料
問い合わせ 荒川ダム管理事務所 TEL:055-287-2006
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
板敷渓谷(大滝)

板敷渓谷(大滝)

山梨県甲府市、荒川ダム(能泉湖)から山梨県道112号(川窪猪狩線)をそのまま奥へと進むと野猿渓谷となりますが、その手前で東へと入る沢が板敷渓谷。渓谷の主瀑である大滝は落差30mほどで、15分ほどの渓流歩きで到達できます。沢沿いの道なので、足

昇仙峡

昇仙峡

秩父山系の主峰、金峰山(きんぷさん=甲州御岳山/標高2595m)を源とする、荒川の中流にある美しい渓谷が昇仙峡(御岳昇仙峡)。下流の天神森・長潭橋(ながとろばし)から上流の仙娥滝までの約5kmは、奇岩怪石が随所に見られる渓谷探勝が楽しめます

 

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