昇仙峡

昇仙峡

秩父山系の主峰、金峰山(きんぷさん=甲州御岳山/標高2595m)を源とする、荒川の中流にある美しい渓谷が昇仙峡(御岳昇仙峡)。下流の天神森・長潭橋(ながとろばし)から上流の仙娥滝までの約5kmは、奇岩怪石が随所に見られる渓谷探勝が楽しめます。秩父多摩甲斐国立公園屈指の景勝地で、御嶽昇仙峡として国の特別名勝に指定。

花崗岩、輝石安山岩奇岩怪石がズラリと並ぶ渓谷を探勝

昇仙峡
渓谷のハイライト覚円峰を見上げる
昇仙峡
「日本の滝百選」選定の仙娥滝に架かる虹

花崗岩の柱状節理、輝石安山岩の奇岩がそそり立ち、峡谷となって荒川が流れ、水墨画のような風景が展開します。

滝上まで続く渓谷沿いの車道は、オフシーズンの平日のみ登り一方通行で、一般車も通行可能(平成29年まで運行していたトテ馬車は廃業しています)。

車の場合は渓谷入口(下流部)の天神森、渓谷中央の能泉(のせ)、渓谷上流部の滝上地区(仙娥滝の上流の意)に駐車場が用意されています。

ハイライトである覚円峰や仙娥滝を中心に探勝する場合は、能泉の県営駐車場を利用。
渓谷探勝は覚円峰や奇岩、滝に光が当たる正午〜14:00頃がおすすめです。

仙娥滝から弥三郎岳(羅漢寺山)頂上にあるパノラマ台まで、昇仙峡ロープウェイが運行。

紅葉の名所として有名で、紅葉の見頃は例年11月上旬〜11月中旬ころ。

能泉(バス停グリーンライン昇仙峡)から仙娥滝への遊歩道の途中、石門の手前にあるのが長田圓右衛門の碑。猪狩村(いかりむら、現・甲府市猪狩町)の長田圓右衛門(おさだえんえもん=長田円右衛門)は、昇仙峡の開拓者で、39歳だった天保5年(1834年)から9年という歳月をかけて石を刻み、桟道を架け、峡谷に御嶽新道を切り開きました。
これが昇仙峡が世に出るきっかけで、文人墨客の知るところとなり、奇岩に様々な名が付けられ今日の観光地となったのです。

昇仙峡
昇仙峡

探勝のモデルプランは3つ

(1)入口から滝上へ踏破=昇仙峡の玄関である長潭橋(昇仙峡口または天神森バス停)から仙娥滝を経て滝上まで歩けば、6km、所要1時間15分。
(2)能泉を起点に覚円峰・石門・仙娥滝往復=能泉の県営駐車場(グリーンライン昇仙峡バス停)から覚円峰を見上げ(夢の松島)、花崗岩のトンネル・石門をへて仙娥滝は往復50分ほど。
(3)滝上から仙娥滝・石門往復=もっとも手軽な昇仙峡滝上の駐車場(昇仙峡滝上バス停)から仙娥滝を経て石門を往復なら(下流へと歩きます)、所要25分ほど。

昇仙峡
花崗岩でできている石門
昇仙峡
渓流沿いに歩くので爽快
江戸時代に開通の御岳新道が今も使われる!
もともとは吉野山から勧請した蔵王権現(現在の金櫻神社)を祀る霊峰・金峰山に登拝する修験者の登拝道・御嶽道で、近世(江戸時代)には荒川上流の猪狩村(甲府市猪狩町)の炭を府中(甲府城下)へと運ぶ道としても使われていました。
さらに金峰山周辺からの水晶の原石が発見され、現在の山梨の宝石産業が芽生えてもいます。
岩を伝う難路だったため、新道の開削が望まれ、天明2年(1782年)に猪狩村名主・長田森右衛門が下帯那村へ通じる新道の開発を立案しますが、実現せずに世を去っています。
天保4年(1833年)、猪狩村百姓代の長田圓右衛門とその甥・勇右衛門が、甲府の商人などの支援を受け、御岳新道を開削。
幾多の困難を乗り越えて天保14年(1843年)に完成。
その後、明治20年に御嶽昇仙峡と名付けられ、文人墨客が訪れるようになって有名に。
昭和47年、御岳昇仙峡有料道路(平成9年無料化/山梨県道7号甲府昇仙峡線)が開通。
昇仙峡
水墨画のような雪景色(覚円峰)
昇仙峡
名称 昇仙峡/しょうせんきょう
所在地 山梨県甲府市猪狩町・高成町
関連HP 昇仙峡観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR中央本線甲府駅から山梨交通昇仙峡行きのバスで1時間、昇仙峡滝上下車、徒歩5分
ドライブで 中央自動車道双葉スマートICから約13km
駐車場 市営滝上駐車場(100台/無料)、県営駐車場(37台/無料)、市営天神森駐車場(60台/無料)
問い合わせ 昇仙峡観光協会 TEL:055-287-2158/FAX:055-287-2555
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
昇仙峡・覚円峰

昇仙峡・覚円峰

2021年11月4日
昇仙峡・パノラマ台

昇仙峡・パノラマ台

2021年11月4日
荒川ダム(能泉湖)

荒川ダム(能泉湖)

2021年8月15日
板敷渓谷(大滝)

板敷渓谷(大滝)

2021年8月12日
金櫻神社

金櫻神社

2021年8月12日
昇仙峡ロープウェイ

昇仙峡ロープウェイ

2018年6月30日
長潭橋

長潭橋

2018年6月30日
西沢渓谷

西沢渓谷

2018年6月30日
七ツ釜五段の滝

七ツ釜五段の滝

2018年6月30日
昇仙峡・仙娥滝

昇仙峡・仙娥滝

2018年6月30日

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ