山梨県甲州市塩山にある臨済宗妙心寺派の寺が、雲峰寺(うんぽうじ)。自伝によれば天平17年(745年)、行基が開いたと伝わる甲州屈指の古刹。当初は天台宗でしたが、中世に武田氏の尊崇を受けることから禅宗へと転じ、永禄元年(1558年)には武田信玄が武運長久を祈願しています。
寺宝には日本最古の「日の丸の御旗」も
寺宝に天喜4年(1056年)、後令泉天皇(ごれいぜいてんのう)から清和源氏・源頼義へ下賜された日本最古の「日の丸の御旗」、「疾如風(はやきこと風の如く)、徐如林(静かなること林の如く)、侵掠如火(侵略すること火の如く)、不動如山(動かざること山の如し)」の武田の軍旗「孫子の旗」、諏訪明神の加護によって合戦を進めようとした武田の軍旗「諏訪神号旗」、武田の家紋である「花菱」が縦に3つ並んで描かれた「馬標旗」があり、宝物殿に保存されています。
天正10年(1582年)、武田勝頼が一族とともに天目山の戦いで滅亡する際、山伝いに寺へと運ばせた武田氏伝来の宝物とも。
本堂(室町時代後期築)、庫裏(江戸時代前期築)、享保元年(1716年)築の書院、仁王門(室町時代後期築)は国の重要文化財。
境内には樹高21m、根周り5m、推定樹齢700~800年というエドヒガンの大木があり、「峰のサクラ」と呼ばれ、山梨県の天然記念物に指定されています(例年では4月中旬〜下旬に満開)。
境内は、昭和63年のNHK大河ドラマ『武田信玄』(主演・中井貴一)、黒沢明監督の映画『影武者』」のロケ地になっているほか、中里介山は雲峰寺で小説『大菩薩峠』を執筆しています。
雲峰寺は大菩薩峠への入口であるとともに、丹波山村をへて奥多摩町に至る甲州裏街道・青梅街道の街道筋に当たり、往時にはかなりの往来があったのだと推測できます。
また、中世の甲州道は、武蔵府中から檜原、小菅、石丸峠・大菩薩峠を経て甲州に入っていたので(当時は笹子峠越えの甲州街道が存在しませんでした)、雲峰寺はまさに交通の要衝に位置していました。
雲峰寺 | |
名称 | 雲峰寺/うんぽうじ |
所在地 | 山梨県甲州市塩山上萩原2678 |
関連HP | 雲峰寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR塩山駅から大菩薩登山口行きバスで30分、終点下車、徒歩5分 |
ドライブで | 中央自動車道勝沼ICから約16km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 雲峰寺 TEL:0553-33-3172 |
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