八ヶ岳南麓の大泉高原(山梨県北杜市)にある縄文時代の遺跡で、国の史跡になっているのが山梨県北杜市の金生遺跡(きんせいいせき)。縄文時代の集落跡や祭祀施設と中世の城館跡や集落跡が複合した遺跡で、北側に縄文遺跡、南側に中世の遺跡が集中しています。八ヶ岳を望む絶景の地に広がる古代から中世の遺跡です。
富士山、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳を眺望する絶景の縄文集落跡
遺跡が位置するのは標高760m〜780mの高原地帯で大泉高原の最南部。
発掘調査では、A区(縄文時代遺構群)から41棟の住居跡(うち38棟が縄文後期~晩期)、5基の祭祀性の強い配石遺構が確認されています。
5基ある配石遺構のうち1号配石は東西60m、南北10mという大規模なもの。
焼けた人骨が出土するとともに立石や石棒といった特殊的な遺物が多いことから、特定の墓を中心とした祭祀性の強い遺構と推測されています。
花崗岩の巨石は釜無川から数キロの道を運ばれたと推測され、周囲の縄文のムラをも巻き込んだ大土木工事が行なわれたとも想像できるのです。
昭和55年、圃場整備の途中で発見、発掘調査が行なわれた遺跡ですが、現在、一帯は史跡公園として整備され、縄文住居が復元。
ほかの縄文遺跡と異なり、住居跡には地面の掘り込みなどがないため一般的な縄文時代の竪穴住居のスタイルではなく、壁立ち住居の形で復元されている点にも注目を。
住居跡や配石遺構の内外からは200点を超える土偶や耳飾り、土器、石器、石剣、石棒、イノシシ下顎骨など、容器類や道具類などの日常生活用具や祭祀遺物が多く出土。
発掘された中空土偶(現存部高さ23.2cm)は、「ちゅうた君」と呼ばれています。
出土品は山梨県立考古博物館に収蔵展示されています。
ちなみに同じ八ヶ岳高原にはJR長坂駅の南側に酒呑場遺跡(さけのみばいせき)という縄文時代中期の大集落もありますが山梨県酪農試験場などになり、遺跡としても雰囲気は残されていません。
金生遺跡 | |
名称 | 金生遺跡/きんせいいせき |
所在地 | 山梨県北杜市大泉町谷戸 |
関連HP | 北杜市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 中央自動車道長坂ICから約2.6km |
駐車場 | 3台/無料 |
問い合わせ | 北杜市郷土資料館 TEL:0551-20-5505 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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