富士登拝の際の禊(みそぎ)の地となった湧水群が山梨県忍野村(おしのむら)にある忍野八海(おしのはっかい)。底が抜けたように見えることが名の由来の銚子の形をしているのが名の由来という銚子池で、榛の木林資料館(有料施設)敷地内にあります。世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産で、環境省の名水百選にも選定。
榛の木林資料館の敷地内にある湧水池
天保14年(1843年)に富士講のひとつ「大我講」(たいがこう=現在の市川三郷町を中心とする富士川沿線など峡南地方の講中組織)の禊ぎの池として再興された忍野八海。
関東一円の富士講の中で広く知られるようになり、忍野八海を巡る「富士山根元八湖霊場」も隆盛しました。
各池に仏法を守護する八大竜王が祀られましたが、3番霊場の銚子池には娑伽羅竜王(しゃがらりゅうおう=龍王の第三王女で、竜宮の王で、真言密教の清瀧権現と同じ)が祀られています。
榛の木林資料館の敷地内の最奥、トチの大木の根元にある湧水池で、忍野八海では唯一、民有地にあります(もともと在地領主の渡邉家の居館で、屋号が「はんのきばやし」)。
池で洗い物の際に誤って手を離すと渦に巻き込まれ、後に御釜池に浮いてくる、という言い伝えから底抜池の名が生まれたもの。
底抜池とはいうものの、実際の水深は1.5mですが御釜池と水脈がつながっている可能性も。
天保14年(1843年)、忍野八海(富士山根元八湖霊場)再興の一環で建立された石碑が現存し、池の名称(底抜池)、禊ぎの順番(三番霊場)、竜王名(釈迦羅竜王)、和歌(「くむからにつみはきへなん御仏のちかひぞふかしそこぬけの池」)が刻まれています。
榛の木林資料館には食事処も併設され、郷土料理「ほうとう」、ニジマスの塩焼き定食、忍野自慢のそばなどを味わうことができます。
名称 | 忍野八海・底抜池/おしのはっかい・そこぬけいけ |
所在地 | 山梨県南都留郡忍野村忍草272 |
関連HP | 榛の木資料館公式ホームページ |
電車・バスで | 富士急行線富士吉田駅から富士急行バス内野行き、内野経由平野行きで17分、お宮橋下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東富士五湖道路山中湖ICから約3.5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 榛の木林資料館 TEL:0555-84-2587/FAX:0555-84-2337 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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