大宝寺(四国八十八ヶ所霊場第44番札所)

久万高原町の中央部にある真言宗豊山派の古刹が大宝寺(大寶寺/四国八十八ヶ所霊場第44番札所)。四国霊場八十八ヶ所霊場巡りのちょうど中間に位置するため、「中札所」といわれています。標高490mの高原に建ち、老樹が生い茂る境内は幽玄な雰囲気に包まれています。

四国八十八ヶ所霊場巡りの中間地点に位置する古刹

その昔、百済(くだら)から亡命した僧が携えてきた十一面観音を山中に安置。
その後、安芸(広島)からきた明神右京、隼人という兄弟の狩人がその十一面観音像を発見。
その話が都に伝わり、701(大宝元)年に、文武天皇の勅願で寺が建立されたという古刹です。
大宝寺(大寶寺)という寺の名は、その時の元号に由来します。

弘仁年間(810年~824年)には空海も当地を訪れ、天台宗だった宗派を真言宗に改めました。
保元の乱が発生した1156(保元元)年、後白河天皇の勅使が天皇の脳の病気平癒を祈願したところ病が治癒したため、後白河天皇は妹宮を住職として下向させ山号である「管生山」(すごうざん)の勅額を送り、勅願寺としました。
後白河天皇の祈願逸話で病気平癒にご利益があるといわれています。

また、大宝寺は、1152(仁平2)年、天正年間(1573年〜1592年)、明治7年と過去3度の火災にあい、その度に再興。
現存する本堂は大正14年の再建です。

山の中にあり、杉や檜の老樹に囲まれて建ちますが、43番札所からの距離が78kmと遠く、「遍路ころがし」として知られる難所となっています。
境内には種田山頭火の「朝まいりはわたくし 一人の銀杏ちりしく」の句碑、芭蕉33回忌の法要を営んだ際に建立された「芭蕉塚」があります。

霊場間の距離・時間

43番札所・明石寺(愛媛県西予市宇和町明石) — (78km/2時間) — 44番札所・大宝寺(愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生) — (13km/20分) — 45番札所・岩屋寺(愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥)

大宝寺(四国八十八ヶ所霊場第44番札所)
名称大宝寺(四国八十八ヶ所霊場第44番札所)/だいほうじ
Temple 44: Daihouji
所在地愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2-1173-2
関連HP四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで伊予鉄道松山市駅から伊予鉄バス久万方面行きで40分、久万下車、徒歩15分
ドライブで松山自動車道松山ICから約27km
駐車場20台/無料
問い合わせ大宝寺 TEL:0892-21-0044
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

明石寺(四国八十八ヶ所霊場第43番札所)

欽明天皇(539年〜571年)の御代、天皇の勅願で創建したという古刹が西予市宇和町に建つ明石寺(四国八十八ヶ所霊場第43番札所)。734(天平6)年には、寿元行者が熊野から十二社権現を勧請し、12坊を建て修験道場となりました。のちの822(

岩屋寺(四国八十八ヶ所霊場第45番札所)

久万高原町七鳥(ななとり)の標高550mの山中にに建つのが真言宗豊山派の岩屋寺(四国八十八ヶ所霊場第45番札所)。巨岩の中腹に埋め込まれるように堂宇がたたずむ典型的な山岳霊場ながら、山号は海岸山。815(弘仁6)年、空海作の不動明王を本尊と

 

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