南光坊(四国八十八ヶ所霊場第55番札所)

南光坊(四国八十八ヶ所霊場第55番札所)

愛媛県今治市別宮町にある真言宗御室派の古刹が、南光坊(四国八十八ヶ所霊場第55番札所)。もともと大三島の大山祇神社が札所でしたが、明治初年の神仏分離以降は、もともとは大三島・宮浦に建てられた24坊のひとつで、鎌倉時代に今治に移された南光坊が札所になったもの。

本尊は、大山祇大明神の本地仏

伊予国越智郡(現・今治市別宮町)には、大三島の本宮より早い和銅5年(712年)に大山祇神社の別宮が完成。
正治年間(1199年~1201年)、24坊のうち、8坊(中之坊・大善坊・乗蔵坊・通蔵坊・宝蔵坊・西光坊・円光坊・南光坊)が別宮に移され、その塔頭となりましたが、そのうちのひとつが南光坊です。

空海(弘法大師)は弘仁年間(810年〜824年)、四国巡錫の際、別宮に参拝して南光坊で法楽をあげたと伝えられますが、それは大三島でのこと。

天正年間(1573~1592)、長宗我部元親(ちょうそかべ もとちか)の四国平定の戦火によって全坊を焼失していますが、慶長5年(1600年)、藤堂高虎が今治藩主となると、禄の少ない南光坊だけが再建され、四国八十八箇所の札所となっていた別宮の別当寺に。
明治の神仏分離で、大山積神の本地仏として別宮の本殿に祀られていた大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)を薬師堂に移して奉安、別宮から札所を受け継ぎ分離独立。
という由来から、本尊は別宮・大山積明神の本地仏で、河野水軍にも信仰された大通智勝如来となっています。
旧来は、遍路であれば大三島へ渡ることになっていましたが、神仏分離で札所すべてが寺になったため(それ以前は神仏習合)、四国島内の遍路で完結するようになったのです(大三島の本宮の本地大通智勝如来は、大三島の東円坊に移され現存)。

昭和20年8月5日〜8月6日の今治空襲で、金毘羅堂と大師堂をを除く本堂と本尊など伽藍を焼失。
現存する本堂は昭和56年、薬師堂は平成3年、山門は平成10年の再建。
書道家・川村驥山(かわむらきざん)が遍路行のとき被っていた菅笠が保存されています。

江戸時代まで、四国遍路は大三島に渡っていた!

南光坊の北側には、「別宮さん」と通称される別宮大山祇神社が建っています。
貞享4年(1687年)に眞念が著した『四國遍禮道指南』には、別宮の紹介を「「是はミしまの宮のまへ札所也。三島までハ海上七里有、故に是よりおがむ。」とし、拝み所だと紹介しています。
江戸時代初期の僧・澄禅の『四国遍路日記』にも「「此宮ヲ別宮卜云ハ、爰ヨリ北、海上七里往テ大三島トテ島在リ、此神大明神ノ本社在リ。今此宮ハ別宮トテカリニ御座ス所ナリ。本式ハ辺路ナレバ其島へ渡。爰二札ヲ納ルハ略義ナリ。」と記され、本当の四国遍路は大三島に渡ることで、別宮で済ますのは「略義」と断言しています。

四国八十八ヶ所霊場間の距離・時間

54番札所・延命寺(愛媛県今治市阿方甲636) — (4km/車で15分) —55番札所・南光坊(愛媛県今治市別宮町3-1)– (4km/車で15分) — 56番札所・泰山寺(愛媛県今治市小泉1-9-18)

南光坊(四国八十八ヶ所霊場第55番札所)
名称 南光坊/なんこうぼう
所在地 愛媛県今治市別宮町3-1
関連HP 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで JR今治駅から徒歩10分
ドライブで 西瀬戸自動車道今治ICから約3km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 南光坊 TEL:0898-22-2916
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
延命寺(四国八十八ヶ所霊場第54番札所)

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大山祇神社

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