愛媛県松山市、松山市街の北、興居島(ごごしま)を眼前にする白石ノ鼻の突端にあるのが白石の鼻巨石群。「三ツ石」と通称されるトーナル岩(花崗岩の仲間)の巨石群で、昔から人が積み上げたという伝承がありましたが、近年、春分の日から10日間、秋分の日に至る10日間が、岩の空洞から日が沈むことがわかり、注目されています。
巨石群は「古代の太陽観測施設」!?
白石ノ鼻の突端には白石龍神社が鎮座し、古からここが霊域であったことを示しています。
白石龍神社北側にある亀石と通称する積み重なった石が。
この亀石にも冬至の頃に夕日が差し込むことがわかっているのです。
海上の「三ツ石」と呼ばれる白龍石は、周囲20m、高さ6m、絶妙なバランスで崩落しない5つの花崗岩で成り立っています。
平成20年、伝承を背景に、郷土史家・篠澤邦彦氏と地元高浜町住民らによって設立された「松山・白石の鼻巨石群調査委員会」の調査で、人工的に造られた古代遺跡の可能性が指摘されたのです。
岬北側の海岸から「三ツ石」(白龍石)を観察すると、穴が視認でき、その穴から春分・秋分の前後に夕日が差し込むということが判明、観測台と推測される地点からほぼ真西(方位269度)に位置することから、「古代の太陽観測施設」ではないかと推測したのです。
ただし、「三ツ石」(白龍石)の総重量は推定100t。
古代人にそんな技術があったのかと疑問符が付きますが、土台部分に石が動かない「かませ石」が人工的に組み込まれているとし、松山・白石の鼻巨石群調査委員会は、「自然に積みあがったというより、何らかの技法で組み上げたという考えの方が自然にみえる」と結論づけたのです。
松山城の石垣に使われた巨岩もトーナル岩(花崗岩と閃緑岩の中間的な性質を持った岩石)で、この白石の鼻から積み出したと推測されています。
松山・白石の鼻巨石群調査委員会は、令和3年に地域活性化を主目的とした「松山・白石の鼻巨石群振興会」に改編され、春分、秋分の日前後の「夕日観賞会」などを主催するほか、有料ガイドも実施。
白石の鼻巨石群 | |
名称 | 白石の鼻巨石群/しらいしのはなきょせきぐん |
所在地 | 愛媛県松山市勝岡町・高浜町 |
関連HP | 松山・白石の鼻巨石群振興会公式ホームページ |
ドライブで | 松山自動車道松山ICから約17km |
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