リニア・鉄道館 キハ82

リニア・鉄道館 キハ82

愛知県名古屋市港区金城ふ頭3丁目、JR東海が運営する「リニア・鉄道館〜夢と想い出のミュージアム〜」の吹き抜けに並ぶ車両展示のなかの1両が、キハ82。非電化線高速化の立役者となった特急型気動車で、懐かしい特急「ひだ」のヘッドマークを付けて静態保存されています。

非電化幹線に特急列車時代をもたらした名車両

国鉄キハ80系気動車は、国鉄が開発した特急型気動車(ディーゼルカー)。
キハ82系は、特急「はつかり」用として製造されたキハ81系グループ(日本初の特急形気動車)の人気を受け、昭和36年以降に製造された車両で、特急「白鳥」に使われたため白鳥形と称されるスタイルです。

ボンネット型で、特急「はつかり」、特急「くろしお」などに使われたキハ81が、ビジネス特急「こだま」同様にボンネット型だったのに対し、改良型のキハ82は、運転席前のボンネット部分にあった発電セットを床下に収納することで、ボンネットを廃止して貫通扉をつけられるようになっています。
洗練された先頭部のデザインはその後に登場する様々な車両に影響を与え、工業デザイナーや鉄道愛好家から高く評価され、名車両のひとつに数えられています。

国鉄のダイヤ改正のなかでも昭和36年10月の「サンロクトオ」(3・6・10)と並んで有名な「ヨン・サン・トオ」(4・3・10)と呼ばれる昭和43年10月1日のダイヤ改正で、特急「ひだ」が登場します。
ローカル線などの無煙化(動力近代化計画)、都市間高速列車網の整備で投入された特急型気動車がキハ82使用で、名古屋~高山~金沢(高山本線)に登場した特急「ひだ」です。
飛騨路に、高度成長時代の到来を告げる特急で、同時に「にちりん」(博多〜宮崎)、「なは」(大阪〜西鹿児島/鹿児島本線経由)、「日向」(大阪〜宮崎/大阪〜小倉間は「なは」に併結)もキハ82が投入されています。

リニア・鉄道館に静態保存されるキハ82-73は、昭和40年、日本車輌製造社の製造。

搭載エンジンは8気筒、総排気量17リットル、180馬力のDMH17系エンジン(DMH17H)で、先頭車両に1基、中間車には2基を搭載していました。

同時に、このとき、名鉄はキハ80系に準じた設計のキハ8000系を、高山線直通急行「たかやま」としてデビューさせています。

キハ82は量産型の車両ですが、保存車両が少なく、本州ではJR東海の「リニア・鉄道館」(名古屋市)のキハ82-73と青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(キハ82-101)でしか見ることができません。

リニア・鉄道館 キハ82
名称 リニア・鉄道館 キハ82/りにあ・てつどうかん きは82
所在地 名古屋市港区金城ふ頭3-2-2
関連HP リニア・鉄道館公式ホームページ
電車・バスで 名古屋臨海高速鉄道金城ふ頭駅から徒歩2分
ドライブで 伊勢湾岸自動車道名港中央ICから約800m
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ リニア・鉄道館 TEL:052-389-6100
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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