秋田県仙北市、玉川(雄物川水系)に17年の歳月を費やして平成2年に完成した堤高高さ100.0mの重力式コンクリートダムが玉川ダム。治水、利水、そして温泉が流れ込む玉川の水質改善を目的にした多目的ダム。ダム湖の宝仙湖は、湛水面積830.0 haは、ダム湖としては日本10位の広大さを誇り、ダム湖百選に選定。
宝仙湖は東北で第3位の巨大人造湖
一級河川・玉川の水は、塩酸を主成分とするpH1.05の強酸性泉(日本で一番pHの数値が低い)が毎分9000リットルも湧出する玉川温泉の温泉水が流入し、田畑を枯らし、魚を殺す「玉川毒水」として恐れられてきました。
酸性水を田沢湖に排水する事業で、田沢湖の魚類が死滅、農業用の田沢湖疎水も稲作に不適となってしまったため、その緩和策としても玉川ダム、酸性水中和処理施設が建設されたのです。
玉川ダムの誕生で玉川の水質も改善され、流域の灌漑や秋田市などへの上水道、工業用水供給が行なわれています。
宝仙湖の湖水が美しい瑠璃色(るりいろ)をしているのは、塩酸などの玉川温泉の成分から。
奥只見湖(福島県・新潟県)、田子倉湖(福島県)に次いで三番目の貯水容量を誇るダム湖・宝仙湖の名称は、一般公募によるもの。
宝仙湖周辺は、十和田八幡平国立公園に指定され、湖畔を走る国道341号は田沢湖と玉川温泉・八幡平(はちまんたい)、十和田湖を結ぶ観光ルートにもなっています。
ダム堰堤下には玉川ダム下流公園が整備され、国道341号沿いには宝仙湖展望所が設けられています。
ダムサイトには玉川ダム資料館、玉川ダム管理所があり、ダムカードを配布するほか、エレベーターで下り、ダム内部に入る見学などの受付を行なっています(個人見学は当日の受付も可能/不可の場合もあります)。
名称 | 玉川ダム(宝仙湖)/たまがわだむ(ほうせんこ) |
場所 | 秋田県仙北市田沢湖玉川字下水無92 |
関連HP | 玉川ダム管理所公式ホームページ |
電車・バスで | JR田沢湖駅から羽後交通バス急行八幡平線で宝仙湖展望台下車、徒歩5分 |
問い合わせ | 玉川ダム管理所 TEL:0187-49-2170 |
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