津軽富士見湖(廻堰大溜池)

津軽富士見湖(廻堰大溜池)

青森県北津軽郡鶴田町にある青森県内最大の貯水湖が津軽富士見湖。万治3年(1660年)、弘前藩4代藩主・津軽信政が西津軽の新田開発のために堤防を築き、用水池にしたもので、廻堰大溜池(まわりぜきおおためいけ)が本来の名称。農林水産省の「ため池百選」にも選定されています。

鶴の舞橋越しの津軽富士が「人気の構図」に

津軽富士見湖(廻堰大溜池)
全面結氷した津軽富士見湖、岩木山と鶴の舞橋

万治3年(1660年)、弘前藩4代藩主・津軽信政(つがるのぶまさ=弘前藩の藩政確立と発展に尽力)は、樋口権右衛門(小林義信/江戸時代前期、長崎出身の暦算家、オランダ人カスパル=スハムブルヘルに測量術を学び、西洋測量術の開祖)を廻堰大堤奉行に任命し、大きなため池を築きました。
その後、元禄年間、寛政年間、文政年間、明治時代、大正時代に大雨などで堤防が決壊し、その都度修復され、そうした歴史を背景に、昭和16年から青森県営事業として築堤工事が始まり、その後、国営工事に切替られ、昭和35年に現在の堤(半円状の土手)が完成しています。

雪解け水を湛える春の増水期には1100万t(灌漑面積393ha)の貯水量を有し、水深7m、満水面積281.28haという巨大な湖になるのです。
秋には水量が減り、冬期には全面結氷しています。

周囲11kmの巨大なため池で、堤は延長4178.44m、堤高7.08mと日本一長大。
津軽富士と呼ばれる岩木山を眺め、カメラマンには「逆さ富士」も人気のビューポイントですが、湖水も岩木山が水源です。
現在も西津軽の農業地帯400haを潤す貴重な水源となっています。

白鳥やガン・カモ類の飛来地で、マガン、ヒシクイ、コハクチョウ、オナガガモなどを観察し、青森県の廻堰鳥獣保護区に指定。
湖畔の丹頂鶴自然公園にはタンチョウが飼育され、春にはタンチョウの求愛ダンスを見ることも。

丹頂鶴自然公園と富士見湖パークとを結んで、大きな入江に鶴の舞橋が架かり、津軽富士見湖のシンボルになっています。
鶴の舞橋は、全長300m、樹齢150年以上の青森ヒバを使用した日本一長い木造のアーチ橋です。
平成28年夏、放送のJR東日本「大人の休日倶楽部」青森県「津軽の逆さ富士篇」で、吉永小百合が鶴の舞橋を渡るシーンが放送され、注目されるようになりました。

富士見湖パークでは桜の開花に合わせ、毎年ゴールデンウィーク頃に『津軽富士見湖桜まつり』が開催。

ちなみに青森県内でため池百選に選定されるのは、五所川原市の境野沢ため池、藤枝ため池の3ヶ所です。

津軽富士見湖(廻堰大溜池)
名称 津軽富士見湖(廻堰大溜池)/つがるふじみこ(まわりぜきおおためいけ)
所在地 青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢81-150
関連HP 鶴田町観光ウェブマガジン
電車・バスで JR陸奥鶴田駅からタクシーで10分
ドライブで 津軽自動車道五所川原ICから約13km
駐車場 富士見湖パーク第1駐車場を利用
問い合わせ 鶴田町企画観光課 TEL:0173-22-2111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
鶴の舞橋

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青森県北津軽郡鶴田町(つるたまち)にある農林水産省のため池百選に選定の津軽富士見湖(廻堰大溜池)の入江に、平成6年7月8日に完成した橋が鶴の舞橋(つるのまいはし)。全長300m、3連太鼓橋(3連アーチ橋)としては日本一長い木橋で、鶴と国際交

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富士見湖パーク

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鶴の里ふるさと館

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