谷津干潟

谷津干潟

谷津干潟(やつひがた)は、東京湾の最奥、千葉県習志野市に残された約40haの干潟。、東京湾の海岸線から2kmほど内陸にある40haの泥質干潟で、東西の2本の水路で東京湾とつながっています。四方はコンクリート壁で囲われ、干潟側は谷津干潟公園として整備され、南岸に「谷津干潟自然観察センター」が建っています。

住民の請願で残された東京湾最奥の貴重な干潟

谷津干潟


明治30年代には東京湾の最奥で、入浜式塩田による製塩場も営まれていましたが、度重なる暴風雨の被害で明治44年に廃業に。
その後、ボラ、ウナギの養魚場となりましたが、やはり暴風の被害を受けて廃業に。

その後、大正14年谷津干潟を含む塩田 74.8haを京成電鉄が買収し、谷津遊園などを整備し、観光化を図っています。
昭和15年、内務省と運輸通信省が利根川増補計画に基づく放水路整備のため、谷津干潟を含めた49.6 haを買収して政府の所有に。
戦後、京葉港第二次埋立事業計画で谷津干潟は埋め立てられる計画でしたが(千葉県、習志野市とも埋め立てを計画)、「谷津干潟の保全と自然教育園の設置に関する請願」が出され、大蔵省の所有であったために埋め立てを免れ、貴重な干潟が残されたのです。
そんな歴史を背景に昭和40年代までは大蔵省水面と称されていました。

平成元年に大蔵省から環境省に移管され、平成4年に谷津干潟公園として開園しています。

「谷津干潟自然観察センター」にまずは訪問を

昭和40年頃までは東京湾奥の海岸線だった谷津干潟。
昭和56年、国道357号、昭和57年に東関東自動車道路、昭和61年にはJR京葉線が開通し、周辺は開発が進んで、環境は大きく変化しました。

それでも干潟は干満によって潮の出入りがあり、満潮時には水深1mの海となります。
水鳥や貝、魚、カニなど多彩な生物が生息。
多くの野鳥が飛来することでも知られ、110種(水鳥約60種)の観察が可能です。
とくに渡り鳥のシギ・チドリ類にとっては貴重な栄養の補給源で、数多く飛来することで有名。
泥質のためゴカイやカニが生息、それをを餌にするためシギ・チドリ類が訪れるのです。

国指定谷津鳥獣保護区(集団渡来地)、水鳥と水鳥が棲息する湿地を守るための「ラムサール条約登録湿地」になっており、自然生態観察公園として、干潟に沿って野鳥観察のための遊歩道3.5kmも整備されています。

干潟の南側には「谷津干潟自然観察センター」(有料施設です)もあり、指導員による自然観察の案内も行なっています。

谷津干潟のビジターセンターで、1階と地下1階の観察コーナーからは干潟を一望に。
望遠鏡や野鳥図鑑も設置され、初心者でも充分、東京湾の貴重な自然を観察することが可能です。

「ラムサール条約」の登録湿地に認定された日である6月10日には「谷津干潟の日」としてイベントも開催。

ちなみに東京湾には千葉県浦安市、市川市、船橋市、習志野市にまたがる1800haの三番瀬もあり、「浦安市三番瀬環境観察館」、「ふなばし三番瀬環境学習館」が整備されています。

谷津干潟
谷津干潟の夕景
谷津干潟
名称谷津干潟/やつひがた
所在地千葉県習志野市秋津5-1-1
関連HP谷津干潟自然観察センター公式ホームページ
電車・バスでJR津田沼駅(南口バス乗り場10番)から京成バス新習志野駅行きまたは、幕張本郷駅行きで10分、津田沼高校下車、徒歩10分。JR新習志野駅から徒歩20分。JR南船橋駅から徒歩20分。京成谷津駅から徒歩30分
ドライブで京葉道路花輪ICから約3.5km
駐車場谷津干潟駐車場(100台/無料、8:30〜17:30)
問い合わせ谷津干潟自然観察センター TEL:047-454-8416
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
谷津干潟自然観察センター

谷津干潟観察の拠点! 谷津干潟自然観察センター

千葉県習志野市、東京湾奥に残された貴重な谷津干潟(ラムサール条約登録湿地)にある自然観察の拠点が、谷津干潟自然観察センター。干潟南側に建ち、1階と地下1階の観察コーナーからは干潟を一望に。谷津干潟一帯は自然生態観察公園として観察路が整備され

谷津干潟

谷津干潟の日フェス|習志野市|2025

2025年6月7日(土)~6月8日(日)、習志野市で『谷津干潟の日フェス』。東京湾の最奥部に残された約40haの干潟、谷津干潟(やつひがた)。谷津干潟が「ラムサール条約」の登録湿地に認定された1993年6月10日にちなみ、習志野市では6月1

⾕津⼲潟

埋立地に囲まれた「都会のオアシス」、谷津干潟で野鳥観察を!

千葉県習志野市、東京湾の最奥部にある「都会のオアシス」といわれるのが、谷津干潟(やつひがた)。葛西海浜公園とともに首都圏では貴重なラムサール条約登録湿地ですが、実は周囲は埋立地。杉南側(海側)には南関東自動車道やJR京葉線が通っています。空

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ