鋸山山頂(瑠璃光展望台)と日本寺大仏を結ぶ日本寺境内のメインルートに配された羅漢群(石仏群)。西国観音、百躰観音など、山頂から大仏広場までのいたるところに石仏を見かけますが、これが、「東海千五百羅漢」と呼ばれる江戸時代後期に奉納された石仏群。
その数、世界一の千五百羅漢は圧巻!
高雅愚伝禅師の発願で、上総桜井(現在の木更津市)の名工、大野甚五郎英令が1779(安永8)年〜1798(寛政10)年の21年間をかけて、門弟27人とともに生涯をかけて刻んだ石仏。風食によってできた洞窟に安置されています。
大野甚五郎が生涯をかけて刻んだ石仏1553体は世界一の数。弘法大師護摩窟、維摩窟、百躰観音の石仏群は必見。西国観音、二天門(通天閣)、あせかき不動、日牌堂、奥の院・無漏窟と一巡できます。
原料となった石材は、地元の金谷石ではなく、海路、伊豆から運ばれた伊豆石です。
多くは明治の廃仏毀釈運動(はいぶつきしゃく=明治維新の神仏分離によって起こった仏教破壊運動)で頭を壊され、「羅漢様お首つなぎ」事業によって多くは復元していますが、一部に頭部がない石仏もあり俗に「首なし羅漢」とも呼ばれています。
東海千五百羅漢観賞のルートは!?
地獄のぞき・山頂展望台(瑠璃光展望台)→西国観音→二天門(通天閣)→座禅石→百躰観音→あせかき不動→甚五郎の墓(大野英令之墓)→宝筺印塔→日牌堂→奥の院無漏窟→維摩窟→聖徳太子→不動滝→日本寺西口管理所(有料道路専用山頂駐車場・鋸山ロープウェー山頂駅)→弘法大師護摩窟→大仏口管理所(有料道路駐車場)→大仏前参道→日本寺大仏→東口管理所(一般道からの無料駐車場)
大野甚五郎英令は、1798(寛政10)年に48歳で没し、日本寺境内、千五百羅漢のなかに墓もあります(上記観賞ルート参照)。鶴崎神社(千葉県安房郡鋸南町元名921-1)の『大絵馬 源義経弓流し図』(鋸南町の文化財に指定)は、1798(寛政10)年の奉納で、「大野英令」の落款があることから、死を前にした大野甚五郎の奉納であることがわかります。
日本寺・東海千五百羅漢 | |
名称 | 日本寺・東海千五百羅漢/にほんじ・とうかいせんごひゃくらかん |
所在地 | 千葉県安房郡鋸南町元名184 |
関連HP | 日本寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR浜金谷駅から徒歩8分の山麓駅から鋸山ロープウェーで4分、鋸山駅下車、徒歩25分(山頂展望台・千五百羅漢道経由)。またはJR浜金谷駅からタクシーで15分、日本寺大仏管理所下車、徒歩10分 |
ドライブで | 館山自動車道木更津南ICから約32km |
駐車場 | 大仏口管理所駐車場(200台/通行料に含まれる) |
問い合わせ | 日本寺 TEL:0470-55-1103/FAX:0470-55-1174 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/東京湾フェリー・鋸山ロープウェー
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