福岡市の西に突き出す糸島半島の北部、志摩地域に位置する福岡県糸島市の海岸に、150mほど沖合いに大きな注連縄で結ばれた夫婦岩があります。ここが伊勢の二見ヶ浦に似ていることから桜井二見ヶ浦(筑前二見ヶ浦)と呼ばれる景勝地。寛永2年(1625年)、藩主・黒田忠之創建の桜井神社の社地で、海岸には白い鳥居も建っています。
夏至の日は夫婦岩の間に夕日が沈む
高さ11.8mの男岩と11.2mの女岩からなる夫婦岩。
宇良宮(浦の宮)とも呼ばれ、「竜宮の入り口」との伝承もあって、古くから神聖な場所として崇められてきました。
5月初旬の大潮の日に(大潮の干潮の時には、鳥居から夫婦岩まで歩いて渡ることも可能)、1年の豊作と健康を祈願して『夫婦岩大注連縄掛祭』が行なわれています。
長さ30m、太さ90cm、重さ1tもの注連縄を氏子たちが掛け替える神事です。
夏至の日は夫婦岩の間に夕日が沈み、多くのカメラマンが集まります。
伊勢の二見ヶ浦(二見興玉神社)は日の出の名所ですがが、筑前二見ヶ浦(桜井二見ヶ浦)は夕日の名所。
「日本の渚百選」、「日本の夕陽百選」に選定。
二見ヶ浦を走る県道54号は「志摩サンセットロード」と通称されています。
ちなみに、九州では大分県佐伯市に豊後二見ヶ浦があり、そちらは日の出の名所になっています。
伊勢・志摩という地名のルーツは糸島半島!?
さらに糸島市は、古代の伊都国(いとこく=『魏志倭人伝』に記載される倭国のクニのひとつで、末廬国から陸を東南に500里進んだ地/糸島市三雲に王墓があったと推測されています)があった場所で、大陸や朝鮮半島(唐・新羅など)との交流の地。
伊勢(伊勢田など)、志摩という地名があるので、実は三重県伊勢・志摩は、ここの地名がルーツと推測する人もいるほど。
桜井二見ヶ浦の鳥居と夫婦岩を結ぶ線の延長上には、対馬があり、竜宮とは先祖の来た対馬を示しているのかもしれません。
桜井二見ヶ浦 | |
名称 | 桜井二見ヶ浦/さくらいふたみがうら |
所在地 | 福岡県糸島市志摩桜井 |
関連HP | 糸島市公式ホームページ |
電車・バスで | JR筑前前原駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 西九州自動車道路今宿ICから約15.2km |
駐車場 | 80台/無料 |
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