岐阜県大野郡白川村荻町、世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」に登録される荻町合掌造り集落の北側に位置する真宗大谷派の寺、松原山明善寺。本堂、庫裏、鐘楼門の屋根が茅葺きという白川郷らしい寺で、庫裏(くり)は「明善寺郷土館」として一般公開されています。
合掌造りの寺の庫裏を郷土館として公開
天台宗の流れをくむ茅葺き2層の鐘楼門、入母屋造りの本堂をもつ、浄土真宗の古刹。
とくに5層の合掌造りである庫裏(くり)は、白川郷・荻町合掌村のなかでも最大。
江戸時代末期、高山の大工副棟梁・与四郎により建てられたもので、現在は「明善寺郷土館」として一般公開されています(岐阜県の重要文化財)。
庫裏の1階には客間にあたる囲炉裏があり、2階では農具や生活用具などを展示。
客間である「でい」が「口のでい」、「奥のでい」と3室に分かれており、南側と表側の一部が庭に面して回廊になっているのが特徴。
また2階の窓からは、合掌造りの集落を一望するのでお見逃しなく。
高山の大工・水間宇助が文政10年(1827年)に建てた合掌造りの本堂は、白川村指定の重要文化財。
享和2年(1801年)、加藤定七が建てた鐘楼門は、1階に板庇(ひさし)をつけた珍しい建て方で、岐阜県の重要文化財に指定。
明善寺の茅葺き建築はいずれも飛騨高山の大工の手によるものです。
境内にあるイチイの大木は、明善寺本堂の建設に際し、副棟梁・与四郎が鐘楼門の横に記念木として植樹。
根回り2.6m、目通り3.5m、樹高10.6mまでに成長し、岐阜県の天然記念物に指定されています。
イチイの木が建つ石垣も、重要伝統的建造物群保存地区の保存対象です。
明善寺の創建は不詳ですが、延享5年(1748年)、白川八幡神社(上白川郷18ヶ村・下白川郷23ヶ村の産土神)の別当だった仙光院の跡を継ぐため、内ヶ戸から移ってきたのが始まりと伝えられています。
明善寺郷土館 | |
名称 | 明善寺郷土館/みょうぜんじきょうどかん |
所在地 | 岐阜県大野郡白川村荻町679 |
関連HP | 白川郷観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR高山駅から濃飛バス(予約制)白川郷行きで2時間、せせらぎ公園下車、徒歩10分。JR高岡駅より加越能バス五箇山線で2時間30分、荻町神社前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東海北陸自動車道白川郷ICから約4km |
駐車場 | せせらぎ公園駐車場(200台/有料)・みだしま公園臨時駐車場(120台/有料)・寺尾臨時駐車場(600台/有料) |
問い合わせ | 明善寺郷土館 TEL:05769-6-1009 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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