縄文鍾乳洞

縄文鍾乳洞

岐阜県郡上市八幡町、長良川の支流・安久田川・岐阜県道328号(安久田吉野線)沿い、大滝鍾乳洞近くにあるのが、縄文鍾乳洞。東西100m,南北55m,高低差55mの範囲に、総延長799m、7層にわたって形成される多層迷路型の鍾乳洞で、大滝鍾乳洞で受付、懐中電灯で入洞する少しワイルドな探検型の鍾乳洞です。

ヘルメットをかぶり、懐中電灯で迷路のような洞窟を探検!

縄文鍾乳洞

もともとは安久田地獄穴洞窟(あくたじごくあなどうくつ)という名称でしたが、昭和45年、最上層の広間(ホール)で縄文時代早期〜晩期の縄文土器、弥生時代の土器、人骨などが発見され、縄文時代の住居跡ということから、縄文鍾乳洞と通称されるようになりました(安久田地獄穴洞窟遺跡として岐阜県の史跡に指定)。
縄文時代早期から晩期を経て、さらに弥生時代に至るまで、断続的に利用された住居遺跡で、縄文時代も中期以降にはムラが形成されていきますが、一部の縄文人は旧石器時代と同様に、こうした洞窟を居住空間していました。

観光洞としての運営は、大滝鍾乳洞なので、縄文鍾乳洞への入場は「縄文洞ミステリーツアー」という形で大滝鍾乳洞でのみ受付(大滝鍾乳洞観光と縄文洞ミステリーツアーのセット券も発売)。
ただし、土・日曜、祝日と夏休みの限定的な営業なので、大滝鍾乳洞の公式HPで営業日のチェックをしてから訪問を。
ヘルメットと懐中電灯を貸りて、真っ暗な洞内を懐中電灯の明かりのみで探勝します(洞窟内は撮影禁止です)。
足元は整備されていますが、水に濡れて滑りやすい部分が多いので、靴には留意が必要です(トレッキングシューズなどのビブラム底も意外に滑ります)。
洞内の気温は一年を通して15度と一定。
探勝時間が長くなると、夏場は薄着だとかなり冷えるので注意が必要です。

洞窟内通路が迷路状になっている特長を活かし、あえて案内表示なども出していないのが「ミステリーツア」たるゆえん。
絶句の間、昇竜の滝、月宮殿などと名付けられた見どころがあり、分岐点で間違えても行止りとなるだけなので、ファミリーでも安心して入洞できます。

天井部には格子天井や虫食い天井を思わせる複雑に入り組んだ溶蝕痕(水に溶けた二酸化炭素から炭酸が生まれ、炭酸と石灰岩の主成分である炭酸カルシウムとの化学反応によって溶蝕が進行)があり、洞窟形成の長い歴史を物語っています。

鍾乳洞の出口にある展望台からは晴れていれば御嶽山を眺望。
お見逃しなく。

郡上八幡は名水の里として全国的にも有名ですが、実はこの名水の供給源が、石灰岩層のカルスト地形。
熱帯の浅い海のサンゴ礁を起源とする石灰岩で、郡上市の西和良地区から安久田にかけて、数多くの鍾乳洞があります。
縄文鍾乳洞一帯は、堀越安久田カルストと呼ばれるカルスト地形で、太古、南洋のサンゴ礁が海洋プレートによって運ばれ、日本列島にくっついたもの。
西安久田集落周辺には、ピナクル(石灰岩柱)などもあり、石灰岩台地であることがよくわかります。

鍾乳洞のうち、観光的に利用されているのは、大滝鍾乳洞と大滝鍾乳洞から車で3分ほどの縄文鍾乳洞、そして郡上八幡美山鍾乳洞の3ヶ所です。

画像協力/大滝鍾乳洞

縄文鍾乳洞
名称 縄文鍾乳洞/じょうもんしょうにゅうどう
所在地 岐阜県郡上市八幡町安久田
関連HP 大滝鍾乳洞公式ホームページ
電車・バスで 長良川鉄道郡上八幡駅からタクシーで12分
ドライブで 東海北陸自動車道郡上八幡ICから約8.5km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 大滝鍾乳洞 TEL:0575-67-1331/FAX:0575-65-3950
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大滝鍾乳洞

大滝鍾乳洞

岐阜県郡上市八幡町、長良川の支流・安久田川・岐阜県道328号(安久田吉野線)沿いにあるのが、大滝鍾乳洞。総延長2kmに及ぶ東海地方最大級の鍾乳洞で、そのうち700mを公開。洞窟内最深部には落差30mの地底滝の大滝が落下しています。大滝鍾乳洞

郡上八幡美山鍾乳洞

郡上八幡美山鍾乳洞

岐阜県郡上市八幡町にある「立体迷路型鍾乳洞」が、郡上八幡美山鍾乳洞(ぐじょうはちまんみやましょうにゅうどう)。同じ郡上市にある大滝鍾乳洞とともに東海地方最大級で、延長2kmにも及ぶ大鍾乳洞。そのうち800mが一般観光洞として公開されるほか、

夏は涼しい洞窟探検! 東海地方おすすめ9洞

夏は涼しい洞窟探検! 東海地方おすすめ9洞

東海地方には総延長2kmという大鍾乳洞の大滝鍾乳洞、郡上八幡美山鍾乳洞(ともに岐阜県郡上市)を筆頭に岐阜県を中心に観光鍾乳洞が数あります。静岡県の富士山の山麓には富士山信仰を今に伝える溶岩洞窟があり、探検が可能(世界文化遺産の構成資産である

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ