日本三大仏(日本三大大仏)は、奈良の大仏(東大寺)、鎌倉の大仏(高徳院)、そして京の大仏(方広寺)の三大仏。このうち豊臣秀吉建立の京の大仏は寛政10年(1798年)、昭和48年に焼失。その代わりに高岡大仏(富山県高岡市/大佛寺)、岐阜大仏(岐阜県岐阜市/正法寺)や東京大仏(東京都板橋区/乗蓮寺)を数えています。
京の大仏は現存しない!
豊臣秀吉が建立した京・方広寺の大仏は慶長元年7月13日(1596年9月5日)の慶長伏見地震で開眼法要前に倒壊。
秀吉の遺志を継いだ豊臣秀頼による2代目の京の大仏は、造営中の事故で溶解と、方広寺の大仏には、慶長19年(1614年)完成の梵鐘(徳川家康から「国家安康」「君臣豊楽」の銘が「家」と「康」を分断し、「豊」「臣」を君主とすると読み解けると指摘を受け、大坂の陣による豊臣家の滅亡を招いています)とともに曰く因縁がつきまとっています。
大仏は倒壊後にも木造で再建されますが、それも寛政10年(1798年)落雷による火災で焼失。
天保年間になって再建された4代目(かなり小型でした)も昭和48年に焼失。
現在は大仏殿跡が残るのみとなっています。
奈良の大仏/東大寺
正式名:東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)
状況:東大寺の本尊で、金堂(大仏殿)に安置
所在地:奈良県奈良市雑司町406-1
仕様:像高14.98m、台座高3.05m、推定重量380t/大仏殿(高さ46.8m、間口57m、奥行50.5m)は世界最大の木造建築物
創建:天平勝宝4年(752年)/治承4年(1180年)・永禄10年(1567年)の火災後に復興
宗派:華厳宗
文化財指定:「銅造盧舎那仏坐像」として国宝
鎌倉大仏/高徳院
正式名:阿弥陀如来坐像
状況:高徳院の本尊で、大仏殿で地震または津波で倒壊したため露座
所在地:神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
仕様:像高11.39m、台座高1.96m、推定重量121t
創建:寛元元年(1243年)
宗派:浄土宗
文化財指定:「銅造阿弥陀如来坐像」として国宝、鎌倉大仏殿跡は国の史跡
京の大仏/方広寺 焼失(現存せず)
正式名:盧舎那仏像
状況:方広寺の本尊で、大仏殿に安置
所在地:京都府京都市東山区大和大路通七条上ル茶屋町527-2
仕様:像高6丈(18m)=創建時には日本最大
創建:寛元元年(1243年)/文禄5年(1596年)の慶長伏見地震で倒壊、豊臣秀頼が慶長16年(1611年)に再建しますが、寛政10年(1798年)に焼失、以降再建されず
宗派:天台宗
文化財指定:大仏殿跡は国の史跡
追加の「日本三大仏」候補は
「日本三大仏」には、奈良の大仏が奈良時代創建、鎌倉大仏も鎌倉時代創建という歴史あるもの。
それに比べて、三番目の大仏は、どうしても歴史ある大仏が条件となります。
戦前は明治24年建立の兵庫大仏(能福寺/兵庫県神戸市)を数えていましたが、第二次世界大戦最中の昭和19年、金属類回収令で解体されて国に供出されています。
兵庫大仏は、平成3年に再建しているので、三番目の大仏は、高岡大仏(富山県高岡市/大佛寺)、岐阜大仏(岐阜県岐阜市/正法寺)や東京大仏(東京都板橋区/乗蓮寺)ではなく、兵庫大仏を加える場合もあります)。
高岡大仏/大佛寺
正式名:阿弥陀如来坐像
状況:大佛寺の本尊で、高岡銅器の職人の技術の結晶、露座
所在地:富山県高岡市大手町11-29
仕様:像高15.85m、座高7.43m、重量63t
創建:延享2(1745年)・木造大仏/現在の銅製の大仏は昭和8年開眼の4代目
宗派:浄土宗
文化財指定:高岡市の文化財
岐阜大仏/正法寺
正式名:釈迦如来坐像
状況:正法寺の本尊で、美濃和紙を張り付けて漆を塗り、金箔を張った岐阜の提灯文化が生んだ傑作、正法寺大仏殿に安置
所在地:岐阜県岐阜市大仏町8
仕様:像高13.63m
創建:天保3年(1832年)
宗派:黄檗宗
文化財指定:岐阜県の重要文化財
東京大仏/乗蓮寺
正式名:阿弥陀如来坐像
状況:関東大震災や東京大空襲などの惨禍に再び起きないように建立
所在地:東京都板橋区赤塚5-28
仕様:像高12.5m、蓮台2.3m、座高8.2m、重量32t
創建:昭和52年
宗派:浄土宗
兵庫大仏/能福寺
正式名:毘廬舎那仏坐像
状況:明治維新の廃仏毀釈、神仏分離で衰退した寺院と仏教に危機感を抱いて、仏教界の全宗派を挙げて青銅製の大仏を建立、戦前は神戸のランドマークにも
所在地:兵庫県神戸市兵庫区北逆瀬川町1-39
仕様:像高11m
創建:明治24年/金属類回収令で供出後、平成3年の再建
宗派:天台宗
日本三大仏(日本三大大仏)とは!? | |
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