旧碓氷線めがね橋(碓氷第三橋梁)

長さ91m、高さ31m、レンガ造りの4連アーチの旧信越本線の鉄道橋。横川〜碓氷峠〜軽井沢の区間には26のトンネルと18の橋梁があり、めがね橋の正式名は碓氷第三橋梁。203万個のレンガを用いた87.7mの4連アーチ橋は、明治25年12月の竣工。昭和38年に速度向上のため新線が建設され、アプト式鉄道廃止まで使用されました。

重要文化財に指定される旧信越本線の4連アーチ橋

設計はイギリス人・パゥネル技師(Charles Assheton Whately Pownall/日本政府に招かれた鉄道作業局技師長)と古川晴一技師(鉄道院・技術研究所技師)。
古川はその後、明治42年に山陰本線の余部鉄橋の設計も担当しています。

日本最大規模のレンガアーチ橋梁で、国の重要文化財、通産省の近代化産業遺産群(建造物の近代化に貢献した赤煉瓦生産などの歩みを物語る近代化産業遺産群)にも指定。

明治25年の築造当時は急勾配を克服するアプト式列車が走っていました。
アプト式とは、ラックレール(Rack-rail)および機関車側のピニオンギア(Pinion-gear)を噛み合わせて急勾配を登る方法(現在日本では大井川鐵道井川線の一部区間で採用)。
橋の前後だけで6mもの高度差があるという点にも注目を。

明治27年の地震で損壊した後に補強工事も実施

アプト方式ラック式の10000形電気機関車
明治東京地震後の橋脚補強工事の様子
すぐ横には明治19年開通の国道18号も

完成直後の明治27年6月20日、明治東京地震(東京湾北部が震源)で橋脚の一部にひびが入ったため、その後2年間で補強工事が行なわれています。

開通後もトンネルの連続による煤煙の問題から、機関士などが窒息する事件が発生し、明治末には日本で最初の幹線電化が行なわれています。

現在ではそんな碓氷線(信越本線)の廃線跡を利用して、横川駅前を起点とする「アプトの道遊歩道」(横川~めがね橋4.8km)もあり、遊歩道を使って橋の上を散策することも可能です。
途中の碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」までは「碓氷峠鉄道文化むら」からトロッコ列車も運転されています。

ドライブの場合は国道18号線旧道のC31カーブ近くの駐車場から遊歩道も整備され、手軽に橋の上に立つことが可能。

旧碓氷線めがね橋(碓氷第三橋梁)
名称 旧碓氷線めがね橋(碓氷第三橋梁)/きゅううすいせんめがねばし(うすいだいさんきょうりょう)
所在地 群馬県安中市松井田町坂本
関連HP 安中市公式ホームページ
ドライブで 上信越自動車松井田妙義ICから約10kmでめがね橋駐車場
駐車場 めがね橋駐車場(29台/無料)
問い合わせ 安中市観光課 TEL:027-382-1111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/安中市観光ボランティアガイドの会

備前渠鉄橋

備前渠鉄橋

2020年3月14日

 

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