大峰沼

大峰沼

群馬県利根郡みなかみ町の猿ヶ京温泉と水上温泉・上牧温泉を隔てる大峰山(1254.4m)の山頂南東、標高1000mに位置する秘沼が、大峰沼。東西150m、南北300mの沼で、巨大な浮島と湿原があり、その地質学的な成因はいまだに解明されていない不思議な沼です。

日本最大で最古の浮島が浮かぶ!

大峰沼
紅葉の見頃は例年10月下旬〜11月上旬

大峰沼に浮かぶ浮島は、日本最大、最古ともいわれ、沼範の湿原の泥炭層の厚さは8.6m。
中部日本屈指の泥炭層で1万年という気の遠くなる年月で誕生したもの。

南東麓の大峰沼登山口駐車場からなら30分ほどで大峰沼に到達します。
途中、駐車場から徒歩10分の地点には古沼分岐点があり、徒歩5分で古沼に寄り道ができ、大峰沼とともにモリアオガエルが棲息地として群馬県の天然記念物に指定されています。

大峰沼周辺2.39haは国有林で、群馬県自然環境保全地域に指定。
大峰沼から大峰山へは南側から尾根沿いに登り、徒歩1時間ほど必要です。

大峰山の北には吾妻耶山(あづまやさん/1341m)が聳えますが日本武尊が亡き弟橘姫を偲んで吾嬬者耶(あずまはや=愛しい妻よ)と叫んだという伝承が残され、大峰山も王峯だったと推測されています。
同じ群馬県でも吾妻郡嬬恋村、あるいは長野県との県境に位置する碓氷峠(うすいとうげ)にも同様の伝説は残り、その地は定かでありません。

山下清が上牧温泉「辰巳館」の風呂に残した『大峰沼と谷川岳』

大峰沼
上牧温泉「辰巳館」の「はにわ風呂」

「裸の大将」として知られる山下清が上牧温泉「辰巳館」に残した作品『大峰沼と谷川岳』は、大峰沼の畔に2時間ほど佇み、その情景を記憶し、宿に戻って一気に仕上げたちぎり紙細工の絵。
山下清は、驚異的な映像記憶力(風景を写真のように記憶する力)の持ち主で、スケッチすることなく、その景色を貼り絵にしたのです。
大峰沼の沼畔から谷川岳は見えないので、ドローンを使ったような目線で、谷川岳を巧みに取り入れています。

「辰巳館」の「はにわ風呂」(埴輪風呂)の壁画は、昭和36年、山下清自身も参加し、画家・山下清の才能を見出し、プロデューサーとしての手腕も発揮した医師・式場隆三郎(しきばりゅうざぶろう)、美術工芸家・手塚昇らとともに、特殊ガラス(ガラスモザイクタイル)を使って制作したもの。
制作日数50日という、山下清が自ら手がけた唯一の作品となっています。
東宝映画『裸の大将』(主演・小林桂樹)が公開されたのは昭和33年のことで、すでに山下清は有名人。
山下清自身も、大峰沼、そして温かく迎えた「辰巳館」を愛していたことがよくわかるエピソードです。

ちなみに、山下清が描いた『大峰沼と谷川岳』には大峰沼にボートが浮かんでいますが、当時もボートが浮かぶことはなく、この部分のみ創作。
『大峰沼と谷川岳』の右隅には、山下清自身も後ろ姿で描かれています。

大峰沼
名称 大峰沼/おおみねぬま
所在地 群馬県利根郡みなかみ町小川(無番地)大峰国有林内
関連HP みなかみ町観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR上毛高原駅からタクシーで15分
ドライブで 関越自動車道水上ICから約11km。月夜野ICから約12km
駐車場 大峰沼登山口駐車場(40台/無料)
問い合わせ みなかみ町観光協会 TEL:0278-62-0401
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

みなかみ町で泊まるなら、おすすめの宿は上牧温泉「辰巳館」

夕食、朝食とも食事は、地のものを活かし、背景の物語にもこだわって、日本の旅館のトップクラス。
山下清が自ら原画「大峰沼と谷川岳」を描き、50日を費やして自らも参加して制作した壁画がかかる「はにわ風呂」もレトロで、辰巳館のシンボルになっています。
宿泊料金も手頃なので、間違いなく、ファミリーなどにとっては五つ星の宿。
旅慣れた人にぜひ愛用していただきたい宿のひとつです。

「辰のおとし子会」という常連向けの割引、スタンプ押印による宿泊優待があるので、公式ホームページまたは電話での直予約もおすすめです。

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