群馬県太田市にあるさざえ堂で有名な曹源寺。寺伝によれば新田氏の祖である新田義重(にったよししげ=源義家の孫)が京から迎えた祥寿姫(しょうじゅひめ)の菩提を弔うため、1187(文治3)年に創建された寺。注目は、江戸時代に建築の観音堂、通称さざえ堂です。
世にも珍しいさざえ堂が境内に
曹源寺の本堂となる観音堂(さざえ堂)は群馬県の重要文化財。
間口・奥行ともに9間(16.3m)という正方形で、高さは55.5尺(16.8m)。
東に向いた外観は、一見すると2階建てに見えますが、内部は3層になっています。
堂内には観音札所(西国、坂東、秩父)の百観音百体が安置され、仏教の礼法である右繞三匝(うにょうさんぞう)に基づき、堂内を右回りの一方通行で三回匝る(めぐる)ことで参拝できる仕組み。
そんなユニークな参詣方法から三匝堂(さんそうどう)という形式ですが、外観から「さざえ堂」と通称されています。
この三匝堂(さざえ堂)、一つの堂を参詣するだけで、西国三十三番、坂東三十三番、秩父三十四番の100ヶ寺を参詣したことになるため江戸時代の中期に関東や東北で建築ブームを生んだもの。
成身院百体観音堂(埼玉県本庄市)、さざえ堂(円通三匝堂/福島県会津若松市)と並び「日本三さざえ堂」といわれています。
三匝堂(さざえ堂)は、江戸本所にあった羅漢寺に1780(安永9)年に築かれたのが最初で、曹源寺の観音堂は、現存するさざえ堂としては最古最大規模のもの。
1721(享保5)年の徳川吉宗の享保の改革による洋書解禁で、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた二重らせん構造もしくは、ジョゼフ・ モクソンの『実用透視画法』(英語の著作)の二重らせん構造が蘭書などから日本に入ってきたと推測されています。
曹源寺(さざえ堂) | |
名称 | 曹源寺(さざえ堂)/そうげんじさざえどう |
所在地 | 群馬県太田市東今泉町165 |
関連HP | 曹源寺ホームページ |
電車・バスで | 東武伊勢崎線太田駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 北関東自動車道太田桐生ICから約1.6km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 曹源寺 TEL:0276-25-1343 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/太田市観光協会
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