旧居留地十五番館

旧居留地十五番館

兵庫県神戸市中央区に建つ旧居留地十五番館は、現在、神戸市に唯一残る居留地時代の建物。明治13年にアメリカ合衆国領事館として建てられたもので、国の重要文化財に指定。街区境界のレンガ塀や石柱も現存しています。東玄関脇の歩道には日本最古の近代下水道「旧神戸居留地煉瓦造下水道」(国の登録有形文化財)があります。

明治14年〜明治23年には米領事館だった建物

神戸外国人居留地は、初代兵庫県知事・伊藤博文のもと、イギリス人土木技師ジョン・ウィリアム・ハートの設計により、浜辺の500m四方の一角が碁盤目状に区画整備され、現在の街区の枠組みが形成されています。
明治元年7月、居留地の第1回競売で、15番地はフランス人ガンダベルが落札。
その後、明治3年5月ガンダーバート商会名で料理店が開業し、明治4年10月からホテル・ド・コロニー、アスターハウスホテルとして営業しますが、明治11年3月にホテルが焼失。
明治13年に現在の建物が建築され、翌明治14年〜明治23年にアメリカ合衆国領事館として使われました。
使われたレンガは国産で、天井裏の墨書から、千葉県成田の大工・風間儀佑と棟梁の源蔵が担当したことがわかっています。

その後は所有者が移り変わり、昭和41年6月から現在の株式会社ノザワの所有になっています。

神戸港における貿易は、1890年頃までは8~9割が居留地貿易で、それを支えたのが居留地(明治32年に居留地制度廃止)に進出した各国の商社と領事館です。
旧居留地十五番館は、海岸ビルヂング、神港ビル、神戸朝日ビルディング(旧神戸証券取引所/低層階の外壁のみ現存)とともに中央区海岸通の商業ビル群として経済産業省の近代化産業遺産(「商業貿易港として発展し続ける神戸港の歩みを物語る近代化産業遺産群」)にも登録されています。

2階の南面にベランダをもつコロニアルスタイルの優雅な建物。

平成7年の阪神・淡路大震災で全壊していますが、所有者であるノザワ(建材メーカー)が、元の建材を使い、明治時代の建築技術に最新の免震技術を導入した復原工事が行なわれ、平成10年に往時の姿を取り戻しています。
現在の塗装は、復原時に創建当時の塗装色に戻したもの。

館内では「TOOTHTOOTH maison15th」(トゥーストゥースメゾンジュウゴ)が営業し、「神戸キュイジーヌ」を味わうことができます。
ランチ、カフェ、ディナーに使えますが、ランチの「グルマンコース」なら比較的に手頃です。

旧居留地十五番館
名称 旧居留地十五番館/きゅうきょりゅうちじゅうごばんかん
所在地 兵庫県神戸市中央区浪花町15
関連HP 株式会社ノザワ公式ホームページ
電車・バスで JR元町駅・阪神本線阪神元町駅から徒歩5分
ドライブで 阪神高速道路神戸線京橋ランプからすぐ
駐車場 市営三宮駐車場(1084台/有料)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

海岸ビルヂング

神戸の旧雑居地、現在の海岸通りに建つ明治44年築のレトロなビル。煉瓦造り3階建ての事務所建築で、設計は河合浩蔵、施工は旗手組。戦災で屋上のペディメント焼失。さらに内装の大部分と外部装飾の一部を失っていますが、唐破風状の曲線を取り入れるなど独

神港ビル

昭和14年、川崎汽船本社ビルとして竣工したのが神港ビル。屋上のアールデコ風の塔屋がモダニズムスタイルを感じさせる建物で、向かいに建つチャータードビルとともにかつての神戸外国人旧居留地を代表するビルとなっています。「商業貿易港として発展し続け

 

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