兵庫県神戸市兵庫区にある時宗の寺、薬仙寺。天平年間(729年~748年)行基の開山と伝わる古刹で、往時には天台宗でしたが、延文年間(1356年~1360年)に京の霊山国阿(時宗8世)が中興し、時宗に改宗しています。後醍醐天皇が隠岐からの帰途で、境内の霊泉で回復したという伝承も。
平清盛の福原遷都の際、後白河上皇を幽閉した地
近くに大輪田泊にあったことから、承元元年(1207年)には法然が讃岐に渡る際、大衆を教化したと伝えられ、さらに建武年間(1334年~1337年)に後醍醐天皇が隠岐配流からの帰途、病に倒れた際に境内に湧く霊泉で回復したことで医王山と号したとのこと。
慶応3年12月7日(1868年1月1日)の兵庫港開港を前に、文久元年(1861年)にはイギリス初代公使オールコックが開港予定地の下見に兵庫津に来ていますが、その際の宿舎にもなっています。
本尊の薬師如来坐像は、国の重要文化財。
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈以前は広大な寺域を有していましたが、昭和29年の新川運河の拡張工事のなどで狭められています。
境内には平清盛が後白河上皇を幽閉した萱の御所跡の碑も立っています。
石碑は新川運河の拡張工事で水没したため現在地に移されたもの。
萱の御所は『平家物語』には、三間四方の粗末な造りだったと記され、夢野の平教盛邸(現在の夢野八幡神社・氷室神社周辺)にあったともいわれ、所在地は明らかではありません。
兵庫七福神の寿老人を祀っています。
薬仙寺 | |
名称 | 薬仙寺/やくせんじ |
所在地 | 兵庫県神戸市兵庫区今出在家町4-1-14 |
電車・バスで | JR・地下鉄和田岬駅から徒歩8分 |
ドライブで | 阪神高速道路3号神戸線柳原出口から約1.2m |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 薬仙寺 TEL:078-671-1696 |
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