福井県坂井市三国町、えちぜん鉄道三国芦原線・三国駅の背後に控える高台にあり、北前船で繁栄した三国港のシンボル的存在。建物は三国港の改修工事を起案したオランダ人技師、ジョージ・アーノルド・エッセルが、明治12年に設計した龍翔小学校校舎を模したもの。越前三国の歴史、文化、自然を解説する博物館です。
明治の擬洋風建築の小学校を外観復元
ジョージ・アーノルド・エッセル(George Arnold Escher)は、「砂防の父」といわれるオランダ人技師、ヨハネス・デ・レーケ(Johannis de Rijke)の下で三国港突堤(通称として「エッセル堤」)の工事に着手。
そのエッセルが、設計したと伝えられる木造5階建ての擬洋風建築の小学校が龍翔小学校。
エッセルが小学校を設計したのはこの龍翔小学校が唯一です。
実際の建築は大阪の大工・柳自知(やなぎじち)の棟梁が行なったため、木造5階建て洋風の八角形をした奇抜な擬洋風建築となったもの(1860年前後にアメリカで流行したスタイルのため、設計も柳自知だったという可能性もあります)。
1階から3階までは吹き抜けで、4階にはオランダから輸入したステンドグラスが明かり窓に取り入れられ、5階は望楼になっていました。
痛みが激しく、大正3年に取り壊されましたが、旧三国町が郷土資料館建設にあたり、外観は龍翔小学校を忠実に復元して昭和56年にミュージアムとして再生しています。
1階の「三国の自然」と「三国のあけぼの」で三国の概略を把握し、2階「三国湊の変遷」、「三国湊のにぎわい」、「港の文化」、「港の変貌」で三国湊の歴史を学び、3階「三国と近代文学」、「三国のくらし」、「龍翔小学校とエッセル」で、その他の情報をインプットする仕組み。
1階に置かれる北前船は、石川県門前町の幕末期の板図をもとに、1/5スケール模型で1000石積み弁財船(べざいせん)を復元したもの(江戸時代後期には1000石積みが主流となっていました)。
「三国のあけぼの」コーナーでは、旧石器時代の西下向遺跡、縄文時代の北杉谷貝塚の出土品などを展示しています。
4階の展望室ベランダからは、三国湊や日本海、三国市街地、白山を一望にします。
別館で三國神社の春祭り『三国祭』に使われる巨大な山車を展示。
みくに龍翔館 | |
名称 | みくに龍翔館/みくにりゅうしょうかん |
所在地 | 福井県坂井市三国町緑ケ丘4-2-1 |
関連HP | みくに龍翔館公式ホームページ |
電車・バスで | JR芦原温泉駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 北陸自動車道金津ICから約14km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | みくに龍翔館 TEL:0776-82-5666/FAX:0776-82-6671 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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