北前船主屋敷蔵六園

北前船主屋敷蔵六園

石川県加賀市橋立、北前船の船主集落として加賀市加賀橋立伝統的建造物群保存地区に指定される加賀橋立。江戸時代から明治中期にかけて、日本海の舟運として活躍し、京・大坂と北陸を結んだ北前船の船主・酒谷家の屋敷と庭園が北前船主屋敷蔵六園(きたまえせんしゅやしきぞうろくえん)です。

蔵六とは庭園に配された亀似の瀧石のこと

北前船主屋敷蔵六園

酒谷宗七郎の居宅として建築されたと伝える大規模な邸宅と庭園で、主屋、土蔵など11棟は国の登録有形文化財に指定されています。
主屋の2階から、天保7年(1836年)から明治3年までの暦が見つかっているので、江戸時代後期の築と推測されています。

1000坪という敷地に建坪300坪の総漆塗りの豪華な屋敷が建ち、奥座敷は加賀大聖寺藩主を接待する部屋。
「蔵六園」とは全国各地の銘石を集めた庭園部分のことで、最後の大聖寺藩主・前田利鬯(まえだとしか)が庭園の瀧石の自然石があまりにも亀に似ていることから命名されたもの(蔵六とは4本の足と頭・尾の6つを隠すことで、亀の異名)。

庭園の置き石は、能登滝石、福浦石、佐渡紅石、三国波付き石、京の鞍馬石、丹波石、出雲石、伊予石、紀州石、彦根の虎石、滑川の翡翠原石など全国から北前船を使って蒐集(しゅうしゅう)されたもの。

藩主専用の間のほか、雪隠(せっちん=トイレ)、土蔵、庭園と、北前船で蓄えた財を使い、贅を極めた屋敷が往時のままに現存しています。
船箪笥(ふなだんす)などの家具や蒐集した古九谷、山中漆器などの美術品も必見です。

広い縁側から眺める庭園は見事で、四季折々の表情を見せてくれます。
山野草園には500種の山野草が自生し、多くの愛好家が訪れています。
この山野草園を望むティールームも併設、お抹茶(蔵六園オリジナル干菓子付き)やコーヒーでくつろぐことが可能。

近くには、日本海交易で巨万の富をもたらした北前船関係の資料を展示する「北前船の里資料館」、加賀市に残る北前船主住宅としては最古の忠谷家住宅もあります。
すべて日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成資産になっています。

大正時代、「日本一の富豪村」だった橋立

加賀市加賀橋立伝統的建造物群保存地区(橋立の船主集落)

大正5年に発行された月刊誌『生活』には、「日本一の富豪村」として橋立が次のように紹介されています。

「北陸線大聖寺駅から一里半の海岸に日本一の富豪村がある。すなわち加賀国江沼郡橋立村小塩と橋立の両大字(おおあざ)に分かれて戸数は各百五十位ある。此の村には五十萬円以上が三四名あるが上に、二十萬三十萬の資産家が軒を並べ、五萬以上の家に至っては村の半分以上を占めている」

「村には男がいないから、村長にも村会議員にもなりてがない。村長だけは郡長の古い手を雇って間に合わせているが、村会は殆ど開かない。村役場の吏員は毎度、海を眺めては大欠伸ばかりをしている」

「大家は家の前の道路に電灯を寄付しているから、闇夜でも真昼のように明るい。電灯は大聖寺水力電気会社から来るが、会社は殆ど全部この村の人が経営しているのだからお手のものである」

「一村に五十万、百万と云う富豪が数人ある村は、他にもまだ沢山あるが、全村挙げて巨万の富豪ばかり、且つ村が辺陬で住民が土着の者のみと云うのは恐らく橋立村が日本第一であろう」

北前船主屋敷蔵六園
北前船主屋敷蔵六園
名称 北前船主屋敷蔵六園/きたまえせんしゅやしきぞうろくえん
所在地 石川県加賀市橋立町ラ47
関連HP 蔵六園公式ホームページ
電車・バスで JR加賀温泉駅から周遊キャンバスで30分、蔵六園下車すぐ
ドライブで 北陸自動車道片山津ICから約6km
駐車場 30台/無料
問い合わせ TEL:0761-75-2003
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
加賀市加賀橋立伝統的建造物群保存地区(橋立の船主集落)

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