岩手県二戸郡一戸町、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産になっている縄文時代中期後半の拠点集落が御所野遺跡。縄文時代の貴重な集落遺跡は御所野縄文公園として整備され、その入口にガイダンス施設としての役割を担った御所野縄文博物館が建っています。
蒔前遺跡、山井遺跡の出土品も展示
御所野縄文博物館の第1展示室「焼けた住居の発見」には、ガラス張りの床下に4000年前の焼失住居の出土状況を展示し、発掘の様子と復元の工程を映像で紹介しています。
第2展示室は、「御所野縄文ワールド」で、150インチの巨大スクリーンとプロジェクションマッピングで、縄文時代の御所野のムラを紹介。
第3展示室は「火とまつり」がテーマで、同じ一戸町にあり、重要文化財に指定される鼻曲り土面が出土した蒔前遺跡(まくまえいせき)の出土品(御所野縄文博物館が収蔵する蒔前遺跡出土品は、253点が国の重要文化財)、山井遺跡の土偶(縄文時代後期末〜晩期の遺跡で土偶が出土)などについて解説しています。
そのほか、郷土資料コーナーもあり、一戸町の天然記念物、史跡などを知ることができます。
屋内体験工房では縄文時代の土器作りや縄文編み体験、アクセサリー作りなどの体験が可能(事前の申し込みが必要)。
オリジナルグッズを販売するミュージアムショップも併設。
大木式土器(だいぎしきどき)
東北地方を中心に分布する縄文時代中期の土器で、丸みを帯びた形と渦巻きの文様が特徴。
東北地方南部を中心とした地域は「大木式土器」の文化圏、東北北部から北海道南にかけては「円筒上 層式土器」の文化圏ですが、御所野遺跡からは両方のタイプの土器が出土し、ふたつの文化の接点であったことがわかります。
また、土器の出現は、縄文時代の人々の食生活に大きな安定をもたらし、土器づくりには日数を要するため定住化を促進したのです(土器の出土が定住化の目印になっています)。
人体文土器(じんたいもんどき)
御所野遺跡のシンボルで、通称「羽根付き縄文人」と呼ばれる土器。
頭に羽根飾りをつけたような縄文人が描かれている土器片です。
人の体や顔が描かれている縄文土器や土偶は、その機能や用途がまったくわからないものも多く、その多くは儀式などの際に使われたものだと推測され、安定した生活や家族の繁栄など、縄文人の「祈り」の象徴になっています。
御所野縄文博物館 | |
名称 | 御所野縄文博物館/ごしょのじょうもんはくぶつかん |
所在地 | 岩手県二戸郡一戸町岩舘御所野2 |
関連HP | 御所野縄文公園公式ホームページ |
電車・バスで | IGRいわて銀河鉄道一戸駅から岩手県北バス御所野縄文公園線で10分。または、タクシーで5分 |
ドライブで | 東北自動車道一戸ICから約5km |
駐車場 | 第1(49台)・第2(17台)・第3(32台)駐車場/無料 |
問い合わせ | 御所野縄文公園 TEL:0195-32-2652/FAX:0195-32-2992 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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