東京都練馬区にある都立公園の石神井公園にある湧水池が、三宝寺池。池の中の島は、昭和10年、三宝寺池沼沢植物群落として国の天然記念物に指定。指定当時には、カキツバタ、ミツガシワ、ヒツジグサなど水生植物が繁茂していました。現在でも東京23区内に残る貴重な自然で、自然観察にも絶好。
カキツバタ、ミツガシワ、コウホネを観察!
三宝寺池は、もともと武蔵野三大湧水池に数えられる豊富な湧水を誇った池でしたが、周辺の都市化に伴い、昭和40年頃から湧水が減少。
清冽で温度の低い湧水がなければ、氷河期の残存種といわれる寒冷地植物のミツガシワ、ヒツジグサ、コウホネなどは育たないため、昭和46年から深井戸などにより地下水を三宝寺池に供給しています。
水質の悪化に伴い、ハンノキ、ヨシ、キショウブなどが繁茂するようになったため、ヨシやハンノキなどの伐採を行ない、大型の水生植物を刈り取り、植物相を復元。
カキツバタ群落を中心に、ミツガシワ、コウホネ、ハンゲショウなどを木道などから観察することができます。
三宝寺池の畔に整備された水辺観察園でもミツガシワなどの水生植物を観察することが可能。
ちなみに三宝寺池沼沢植物群落の指定範囲である三宝寺池・中の島は、文部科学省の所有(管理は東京都)。
中の島の植物群落は、明治時代に誕生!?
江戸時代から明治時代に描かれた絵図には、中の島は記載がないことから、明治時代から大正時代にかけて、ヨシなどが堆積して浮島を形成、徐々に島になっていったのだと推測できます。
天然記念物に指定される以前は、カキツバタの大群落で、生活利用のためにヨシなども刈られたことで、水生植物の群落が保持されていました。
逆に、天然記念物の指定後、ヨシ、ハンノキなどの刈り取り、伐採が行なわれなくなったため、水生植物が減少するという事態に。
ヨシが茂り、カキツバタが激減という状態になったのです。
こうした事態を受けて、平成6年から、人手を入れ、ヨシ、ハンノキの刈り取り、伐採、キショウブなどの外来種の除去が行なわれています。
三宝寺池沼沢植物群落 | |
名称 | 三宝寺池沼沢植物群落/さんぽうじいけしょうたくしょくぶつぐんらく |
所在地 | 東京都練馬区石神井台1-27 |
関連HP | 練馬区公式ホームページ |
電車・バスで | 西武池袋線線石神井公園駅から徒歩15分 |
ドライブで | 関越自動車道練馬ICから約3.5km |
駐車場 | 石神井公園駐車場(70台/有料) |
問い合わせ | 石神井公園サービスセンター TEL:03-3996-3950 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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