鬼ヶ島大洞窟

鬼ヶ島大洞窟

高松港の沖に浮かぶ女木島(香川県高松市女木町)は桃太郎伝説の鬼が住む鬼ヶ島といわれ、島の中央・高台に鬼ヶ島大洞窟と呼ばれる謎の洞窟があります。延長400m、面積4000平方メートルの洞窟の内部は、夏でも涼しく、大広間、居間、婦女子の監禁室、番人の部屋などがあり、かなり怪しげな雰囲気。

古代史のロマンが秘められた山上の大洞窟

鬼ヶ島大洞窟は、大正3年、香川県鬼無町(現・高松市鬼無町)の郷土史家で、県内の小学校長をしていた橋本仙太郎(はしもとせんたろう)氏が発見した洞窟。
昭和6年に桃太郎伝説と洞窟を結びつけ(国威発揚などの気運が高まる時代背景がありました)、鬼ヶ島として洞窟も公開され、戦前には鬼ヶ島の一大ブームを巻き起こしています。
「日がな毎日数千人の探勝客が絶えないという現状で、鬼ヶ島としての名聲は天下に鳴って居る。北は樺太から南は台湾に至る遠来の珍客も夥しくなってきたという事は、誠に喜ばしいことである」(橋本仙太郎著『鬼無伝説桃太郎さん鬼ヶ島征伐』/昭和7年)。

この鬼ヶ島大洞窟、誰がどういう目的で掘ったのかは今も謎という不思議な大洞窟です。
場所は、女木島北部にそびえる標高186.8mの鷲ヶ峰山頂直下。
2000年前(弥生時代)に人工的に掘削された洞窟という説もありますが、定かでありません。

すぐ南に女木島丸山古墳(5世紀後半、朝鮮半島製の耳飾が出土)があり、瀬戸内海を支配した古代の豪族との関係なども推測できます。

ノミの跡、石材抜取用矢穴跡があることから人工の手が加えられていることは確実な洞窟ですが、入口からは迷路のような「攻めづらい」構造。
内部から出口へは「脱出しやすい」構造ということから、中世には砦だった可能性も。

ただし、男木島にはジイの穴と呼ばれる坑道掘りの採石場(穴丁場)が残っており、豊島石を採石した豊島には「女木島の洞窟も豊島島民が採石した跡」という伝承があるため、江戸時代から明治にかけての採石場だったという可能性も大なのです。

現在では「鬼が住んだ大洞窟」として脚色され、探検気分を味わうことができるようになっています。

この鬼ヶ島大洞窟から、5分ほど歩けば、鷲ヶ峰山頂の女木島山頂園地(鷲ヶ峰展望台)に到達します。
展望台からの瀬戸内海を一望にする絶景を眺めると、古代の豪族の拠点としての機能は十分に感じ取ることができます。

鬼ヶ島大洞窟
名称 鬼ヶ島大洞窟/おにがしまだいどうくつ
所在地 香川県高松市女木町2633
関連HP 鬼ヶ島観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR高松駅から徒歩5分の高松港から雄雌島フェリーで20分、女木港下船、鬼ヶ島観光自動車バス洞窟行きで10分、終点下車、すぐ
駐車場 鬼ヶ島大洞窟下(10台/無料)
問い合わせ 鬼ヶ島観光協会 TEL:087-840-9055/FAX:087-840-9056
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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