香川県高松市、国の特別名勝に指定される栗林公園(りつりんこうえん)で、大名庭園(栗林園)の面影を今に伝えるのが南庭。南庭最大の池、南湖の西にあるのが涵翠池(かんすいち)。翠(みどり)を涵(ひた)すというのが名の由来で、背景に緑滴る紫雲山を眺めるビュースポットになっています。
緑滴る紫雲山を眺めるビュースポット
瑶島(ようとう)と呼ばれる中島があり、怪石の石組みで蓬莱仙島(不老不死の仙人が住むとされる島)を表現しています。
涵翠池では夏になると淡いピンクや赤色のスイレンが花を咲かせて、見事。
涵翠池を南側に小普陀(しょうふだ)と呼ばれる場所がありますが、実は、この一帯が、栗林公園で最初に作庭が始まった場所だと推測されています。
室町時代、生駒氏の家臣、佐藤志摩介(さとうしまのすけ)が隠居した時代、栗林公園南西部に位置する小普陀の辺りに屋敷を構え、仏教的な庭を築いたという大名庭園以前の庭園です。
発掘調査などで、室町時代の築山枯山水風の手法を有しており、その南側に江戸時代の観音堂の跡があるので、もともと仏教寺院だったのかもしれません。
讃岐国高松藩3代藩主・松平頼豊(まつだいらよりとよ)の時代には、在国の際には、高松城ではなく、栗林荘(現在の南庭)を居所として充実させていますが、頼豊治世下の元禄13年(1700年)に描かれた『御林御庭之図』を見ると、西湖や涵翠池など紫雲山に接する一帯の水域がとても広く記されているので、当時はまだ豊富な伏流水が湧き出ていたと推測できます。
南湖、西湖、涵翠池など、栗林荘は、香東川の旧河道を利用しているので、伏流水が豊富だったのです。
栗林公園・涵翠池 | |
名称 | 栗林公園・涵翠池/りつりんこうえん・かんすいち |
所在地 | 香川県高松市栗林町1-2-16 |
関連HP | 栗林公園公式ホームページ |
電車・バスで | JR栗林公園北口駅から徒歩3分、または、ことでん栗林公園駅から徒歩10分 |
ドライブで | 高松自動車道高松中央ICから約6km |
駐車場 | 栗林公園東門駐車場(30台/有料)・栗林公園北門前駐車場(32台/有料) |
問い合わせ | 香川県栗林公園観光事務所 TEL:087-833-7411/FAX:087-833-7420 |
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