ウィルソン株

ウィルソン株

大正3年、アメリカの植物学者、アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士により発見された、屋久島の標高1030m地点にある巨大な切り株がウィルソン株。16世紀末に伐採されたと伝わる巨大な屋久杉の切り株で、周囲13.8m、推定樹齢は3000年とも。内部に入ると空から射し込む光が切り口をハート型に浮かび上がらせ、人気スポットに。

大坂城築城時に伐採されたとも伝わる巨大な切り株

ウィルソン株

切り口が天窓洞のような役割を果たしており、実に神秘的な雰囲気。
空洞となった切り株の内部には小さな祠が祀られ、湧水が流れています。

アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士(Ernest Henry Wilson)は、ハーバード大学樹木園のための収集を目的に来日。
屋久島で、この巨大な株を見つけたというわけなのです。

空洞となった内部の祠(ほこら)は、彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)と久久能智神(くくのちのかみ)を祀る木魂神社です。

また右の尾根に向かって、林野庁が整備した自然観察路(本格的な山道なので注意が必要)が設けられ、切り株の上に若い木々が育つ「切り株更新」や、倒木の上に新芽が成育する「倒木更新」など、屋久杉の世代交代の仕方を、歩きながら学ぶことができます。

屋久杉自然館から荒川登山バス(バスチケットは前日までに購入)で40分の荒川登山口からウィルソン株までは徒歩2時間45分。
荒川登山口からトロッコ(森林軌道)道を歩き、大株歩道入口から30分でウィルソン株。
往復約16kmという距離を歩きますが、昼過ぎには下山を開始するような行程で入山を。

天正14年(1586年)、豊臣秀吉が京・方広寺大仏殿建立(大坂城築城とも)の銘木提供を各大名に命じたとき、薩摩国の守護大名・島津義久(しまづよしひさ)の命により切り倒されたと伝えられています。
ただし、あまりの巨大さで、この巨樹は結局搬出できなかったとのこと。

ウィルソン株が切られた後に育っている杉が樹齢300~350年ぐらいなので、近年では江戸時代に伐採されたのではとも推測されています。

ウィルソン株

荒川登山口〜ウィルソン株 コースタイム

荒川登山口〜(徒歩30分)〜大杉〜(徒歩15分)〜小杉谷集落跡〜(徒歩30分)〜楠川分かれ〜(徒歩5分)〜三代杉〜(徒歩1時間)〜大株歩道入口〜(徒歩25分)〜翁杉〜(徒歩5分)〜ウィルソン株

ウィルソン株
名称ウィルソン株/うぃるそんかぶ
所在地鹿児島県熊毛郡屋久島町
関連HP屋久島町公式ホームページ
電車・バスで宮之浦港から屋久杉自然館までタクシーで40分、屋久杉自然館から荒川登山バス利用(バスチケットは前日までに購入)で40分、荒川登山口下車、徒歩2時間50分
ドライブで屋久島空港から約12kmで屋久杉自然館。屋久杉自然館から荒川登山バス(バスチケットは前日までに購入)で40分、荒川登山口下車、徒歩2時間50分
駐車場屋久杉自然館駐車場(120台/無料)
問い合わせ屋久島町商工観光課 TEL:0997-43-5900
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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